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請求書買取の審査のポイントは?審査が甘い業者を見極めるポイント

請求書買取は手元にある請求書を譲渡することで、請求書の入金期日よりも早く現金を手にする資金調達方法です。

資金融資と違い、借入金にならない方法です。
近年多くの企業や個人事業主、さらにフリーランスの方が利用している資金調達方法となります。

この請求書買取にも申し込みには審査があります。
通常の資金融資の審査とは違い、独自の基準で審査が行われているとうい特徴もあるのです。
何を基準にどのようなことを審査しているか気になる方も多いでしょう。

そこでこの記事では請求書買取の審査に関してや、審査の甘い業者の探し方を解説します。
また甘くなる契約方法などについて紹介していきましょう。

請求書買取サービスの審査とは?

請求書買取サービスとは企業や個人事業主・フリーランスの方がもつ、請求書を買い取り請求書の支払期日よりも早く、現金化するサービスのことを指します。
請求書買取サービスは「ファクタリング」とも呼ばれ、近年注目を集める資金調達方法です。

請求書買取サービスを利用する場合の一般的な流れは、以下の通りです。

1. 利用者が請求書の買い取りを申し込む
2. 請求書買取業者が審査を行う
3. 審査に通過すれば請求書の譲渡契約が結ばれる
4. 譲渡契約締結後、請求書買取業者は請求書の額面金額から手数料を差し引いた金額を利用者に支払う
5. 請求書の売掛金が取引先から入金されたら一旦利用者が受け取る
6. 利用者は受け取った売掛金を請求書買取業者に入金する

請求書買取にはほかにもさまざまな形の契約方法があります。
もっとも一般的な流れは上記の通りです。
利用者は請求書発行から売掛金入金までのタイムラグをなくせます。

今回の記事でスポットを当てるのは2の項目にある審査に関してです。
まずは何を審査されるのかをチェックしていきましょう。

利用者の財務状況チェック

企業などが経営資金を調達するとなれば、まずチェックされるのはその企業の財務状況です。
これは金融機関から資金融資を受ける時も、請求書買取を希望するときも同じとなります。

とはいえ金融機関の資金融資の審査と比較すれば、請求書買取の審査はそこまで厳しいものではありません。

金融機関が行う資金融資は融資なので、当然返却の必要があります。
その返却も一括で返却するわけではなく、長期間にわたって返済を続けるのが一般的でしょう。
つまり返済期間にその企業の経営が順調に進んでいくか、滞りなく返済されるかをチェックするため、審査は細かく厳しくなります。

財務諸表の提出はもちろん、融資を受けた資金の返済計画や、今後の事業計画書なども提出します。
細部までしっかりと審査されることになるでしょう。

一方請求書買取で行われる審査のポイントは一点です。
「買い取った請求書が現金化されたとき、速やかに入金されるかどうか」というポイントです。

請求書買取サービスは、金融機関からの資金融資とは違い借入金ではありません。
請求書を譲渡し、その対価として現金を受け取るサービスなので「返済」は必要ありません。

しかし請求書に記載してある売掛金が入金されるのは、請求書に記載されている銀行口座です。
つまり請求書買取業者の口座ではなく、利用者の銀行口座となります。
そのため売掛金は一度利用者の口座に振り込まれ、その後利用者が請求書買取業者の口座に振り込む形です。

この最終的な振り込みが問題なく行われるかどうか、請求書買取業者が審査するのはこのポイントに限られます。
利用者の将来性や事業計画は、ほぼ審査対象とはなりません。

返済期間を含め長期間その企業の経済状況を審査する、金融機関の資金融資審査と比較すれば請求書買取の審査がかなり甘くなるのは、こういった理由からです。

取引先の信頼度を審査

請求書買取の審査でもうひとつ重要視されるのが、取引先の信頼度です。

請求書の債務者に当たる取引先がしっかり期日までに入金するかどうかは、請求書買取業者にとって重要な審査ポイントとなります。
取引先の企業情報をチェックするのはもちろん、過去に利用者と取引先の取引実績、さらに過去の入金実績などが審査の対象となります。

そのため一般的な請求書買取サービスでは、請求書の発行先が個人の場合などは買い取り対象外です。
請求書の発行先、つまり取引先が企業もしくは官公庁などある程度信頼がある場合のみ買い取るというのが、一般的です。

もちろんフリーランスや個人事業主に特化している請求書買取業者などの場合、こうした条件はつかないケースもあります。
しかし基本的に取引先が個人の場合は、審査を通過するのが難しくなるというのは覚えておきましょう。

審査の厳しさは条件によって変わる

請求書買取の審査は、金融機関などからの資金融資の審査と比較すればかなり緩い、甘いと考えて問題ありません。

とはいえどのような請求書でも簡単に審査を通過するかと聞かれれば、そうとはいえません。
上で少し触れたように、個人宛の請求書は審査が通りにくくなります。

それでは請求書買取の審査はどのような時に厳しくなり、どのような時に甘くなるのでしょうか。
以下で解説していきましょう。

リスクが少なければ審査は甘くなる

当たり前の話ですが、請求書買取の審査は回収のリスクが少ないほど甘くなります。
確実に回収できる請求書であれば喜んで買い取ってもらえますし、未回収の可能性がある請求書であれば、買い取りを拒否されるのです。

請求書買取業者における未回収のリスクは、大きく分けてふたつになります。
ひとつは取引先が入金をしない、できない状況に陥った場合です。
もうひとつは取引先から入金があっても、利用者が請求書買取業者に入金してこない場合です。

このふたつを回避するために行われるのが審査であります。
利用者の財務状況や取引先の信頼度が重要になることになります。

審査を甘くするために、契約に条件をつけることもあるのです。
たとえば取引先の信頼度が今ひとつという場合でも、契約内容に「償還請求権」をつけることで、審査を通過することもあります。

償還請求権とは取引先が売掛金を入金しない・できない状態に陥った場合、その売掛金を利用者が保証しなければいけないという契約です。
利用者にとってはある程度リスクのある契約です。
しかし請求書買取業者にとっては、未回収のリスクを軽減できる条件になりますので、その分審査は甘くなります。

審査が甘くなるポイント

請求書買取の審査は、基本的にそこまで厳しいものではありません。
とはいえ審査で落ちてしまうというケースが、ないとはいいきれません。
どういったケースで審査が甘くなるか、具体的な例をあげて紹介していきましょう。

請求書買取の審査が甘くなるポイントは、上記の通り請求書買取業者に対するリスクをどれだけ減らせられるかです。

たとえば請求書の相手が個人である、過去の取引で入金が遅れたことがあるなどといった場合は、未回収となるリスクが高くなるため審査は厳しくなります。
ほかにも請求書の入金期日が確定していない場合なども、同じく未回収リスクが高いので審査は厳しくなるでしょう。

以下ではどういったケースで審査が甘くなるのかを見ていきます。

請求書の額面金額が安い

請求書買取業者が得る「儲け」は手数料です。
その手数料は請求書の額面金額に対して何%といった形で決まります。

請求書回収業者が儲けは請求書の額面金額次第になります。
この額面金額が高いほど、請求書買取業者のリスクは大きくなるのです。

仮に同じ10%の手数料で買い取りをした場合、額面金額10万円の請求書であれば、手数料は1万円です。
額面金額が1,000万円の請求書であれば、100万円の手数料となります。

仮に上記の2例で売掛金の回収ができなかった場合、額面10万円の請求書の場合は、請求書買取業者のマイナスは9万円です。
しかし1,000万円の請求書の場合、900万円になります。

請求書の額面金額が安いことは、請求書買取業者にとって儲けも大きくない代わりに、万が一のリスクも小さいことになります。
こうしたケースの方が審査は甘くなる傾向にあるのです。

3社間契約で申し込む

請求書買取にはさまざまな契約方法があります。
その中で審査が甘くなるのが3社間契約です。

ここまで請求書買取の流れとして紹介してきたのは、2社間契約のケースです。
請求書を持ち込み利用者と、請求書買取業者の2社間で結ばれる契約となります。

3社間契約は利用者・請求書買取業者に加え、請求書の宛先でもある取引先も含めた3社間で行う契約です。
2社間とは違い実際に売掛金を支払う取引先も含めて契約することで、審査は甘くなります。

2社間契約の場合、取引先は請求書買取契約に関しては知らない状態です。
売掛金の入金も通常どおり、利用者の口座に振り込む形になります。
利用者は取引先から入金があり次第、入金された金額を請求書買取業者に支払い取引が成立するのです。

一方3社間契約の場合、取引先は売掛金を請求書買取業者に入金します。
請求書が譲渡されたことを知っているため、請求書を持っている業者に振り込むわけです。

3社間契約の場合、取引先の審査も行いやすく万が一未払いが生じた際も、請求書買取業者は対応がしやすくなります。
契約がしやすい、つまり審査が甘くなるのです。

審査が甘い請求書買取業者を見つけるポイント

請求書買取を考えている方は、ネットなどで買取業者を検索したことがあるでしょう。
しかし請求書買取業者の数は非常に多く、どの業者を利用するか迷ってしまうほど存在しています。

ここで請求書買取という資金調達方法の現状に関して、簡単に説明しておきましょう。

資金調達方法のうち、金融機関からの資金融資など「借入金」となるものに関しては、「貸金業法」という法律が存在します。
この法律に則って貸金契約が行われます。
また貸し付けられる企業も「貸金業者」として登録している業者に限られているのです。

つまり金銭の貸し借りという場合は、しっかりと法整備がされております。
その法律に則って各貸金業者は営業を行っています。

一方請求書買取は「貸金業」ではありません。
あくまでも売掛債権の譲渡契約をおこなうだけですので、貸金業者としての登録は不要です。
また貸金業法を守る必要もありません。
それどのような法律に則っているのかというと、きちんとした法律は存在していないことになります。

近年増加傾向の請求書買取ですが、法整備が追い付いていないというのが現状です。
これが審査とどう関係するのでしょうか。
それは基準となる法律がないため、審査の基準も業者ごとにバラバラであることに繋がります。

つまり数多く存在する請求書買取業者の中には、審査が厳しい業者もいれば非常に甘い業者もいるのです。

さまざまな業者の中から、比較的審査が甘いと考えられる業者の特徴を紹介していきましょう。

契約実績数が多い業者を見つける

まず注目したいのが、その業者の契約実績です。
契約数が多いことは単純に考えてそれだけ契約しやすい、審査に通りやすいという証拠になります。

また契約数が多い業者ほど、ひとつの未回収の影響が少ないとも考えられるでしょう。

仮に手数料10%で1,000万円の請求書を、毎月10件買い取っている業者がいたとしましょう。
月の売り上げは1,000万円になります。
そのうち1件が未回収となった場合、入ってくるはずの100万円が入らず、さらに先に支払った900万円が損失となります。
そのため1ヶ月の売り上げは0円になるでしょう。

しかし同じ条件で、毎月100件契約していればどうなるでしょうか。
月の売り上げは1億円、1件が未回収となっても売り上げは9,000万円残ります。

1件の未回収がもたらす影響が少なくなるため、契約件数が多い業者ほど審査は通りやすくなると考えられます。

フリーランスや個人事業主に強い業者を見つける

請求書買取業者の中には、企業案件に強い業者や個人事業主に強い業者・請求書の額面が大きい契約に強い業者など、さまざまなタイプがあります。

一般的に審査が甘い傾向にあるのは、個人事業主やフリーランスを得意としている業者です。
個人事業主やフリーランスの持っている請求書は、企業が持つ請求書と比較して額面金額が安い傾向にあります。
こうした案件を中心に扱っている業者ほど、審査には通りやすいといわれています。

気を付けたいのがその業者が設定している上限金額と下限金額です。
多くの業者は取り扱う請求書の額面金額に限度を設定しております。
個人事業主やフリーランスに強い業者は、おおむねこの限度額が低めに設定されています。

いくら審査が甘いといっても、この限度額に収まらない額面金額の請求書では契約できません。
業者探しの際は限度金額にも注目して選びましょう。

対面で申し込める業者の方が可能性は高い

請求書買取業者の営業スタイルにもさまざまあり、近年増加傾向にあるのがオンラインでの契約が可能な業者です。
申し込みから審査・契約、入金まですべてオンラインで完結できる業者もあります。
利便性という点では非常に使いやすいと考えられるでしょう。

ただしこうしたオンライン申請の場合、オンラインで確認できる書類やデータからしか審査ができないという、懸念点もあります。
審査がどうしても画一的になってしまい、結果審査が通りにくいという業者も少なくありません。

審査が甘い業者の多くは、対面で契約をしている業者です。
対面で担当者としっかり話し合うことで、書面やデータからだけでは伝わらないものが伝わります。
またよりしっかりと審査をしてもらえる可能性が高まります。

請求書買取を申し込むタイミングは、基本的に急ぎ現金が必要なタイミングであるというケースが多いでしょう。
そのためより手軽なオンライン申請を頼りたくなるところです。
しかしより審査の甘さを求めるのであれば、対面式で申し込める業者を選びましょう。

審査が甘い業者を選ぶ際の注意点

請求書買取業者は、業者ごとに審査基準が異なり、中には審査が甘い業者が存在します。
そういった審査の甘い業者を探したいという方は多いかもしれません。
しかし審査が甘ければなんでもよいというわけではありません。

そこで審査が甘い業者を探す際、注意しておきたいポイントを紹介していきましょう。

審査が甘いと手数料が高い可能性は高くなる

請求書買取を利用する際、もっとも注目すべきポイントは手数料です。

手数料は請求書買取業者にとっては「儲け」の部分ですが、利用者にとっては「損失」の部分でもあります。

仮に額面金額100万円の請求書があったとしましょう。
額面金額が100万円ですから、その請求書に関しては、100万円の仕事をしたことになります。
しかし請求書買取を利用して、手数料が10%だった場合、100万円の仕事をしたのに手に入るのは90万円になります。

もちろんその分指定した入金日より早く、現金を手にできるというメリットはあげられるでしょう。
しかしそれでも10万円損失が出たとも考えられます。

この記事で再三指摘している通り、請求書買取の審査が甘くなるのは、それだけ請求書買取業者のリスクが小さくなる時です。
そう考えると、審査は甘いが手数料は高いというケースが起こるのもご理解いただけるでしょう。

もちろんすべてにおいて、審査が甘ければ手数料が高くなるというわけではありません。
審査の甘さだけに注目して法外な手数料で契約してしまうのは、それだけ損失が大きくなるので注意が必要になります。

なお一般的な企業の請求書買取で、2社間契約を結ぶ際の手数料相場は10~30%ほどです。
個人事業主やフリーランス向けの低額の請求書買取で、5~15%ほどです。

請求書買取を利用する場合は審査の甘さだけではなく、こうした手数料相場も意識しましょう。
できれば複数の業者に見積もりを出してもらい、最終的にどこに申し込むか決めるのがベターといえるでしょう。

悪徳業者に引っかかるリスクが高まる

審査が甘い業者を探す際、最も注意すべきポイントが悪徳業者です。

上記の通り、請求書買取というシステムにまだ法整備が追いついていない状態です。
つまり請求書買取業者を開く際に審査や資格、登録などは一切必要ないことになります。

こうした業界ですので、残念な話ですが悪徳業者が存在していることもまた事実です。
悪徳業者にはどういった業者がいるのでしょうか。
単純に法外な手数料を請求してくるような業者もありますが、もっともまずいのがいわゆる闇金業者の存在です。

請求書買取契約に見せかけて実は法外な金利での貸し付け契約を結び、暴力的な取り立てを行う業者も少なからず存在しています。

貸金業者であれば、貸金業登録をしているかどうか、である程度悪徳業者を判別できます。
しかし請求書買取業者の場合、こうした登録情報もありません。

魅力的な手数料を提示している、どういった請求書でも契約できるなどと謳っている場合は注意しましょう。
また契約に必要な書類が極端に少ないなどという、一見契約しやすそうな業者ほど悪徳業者の可能性があります。

審査の甘さや手数料の安さに惹かれて、よく調べずに契約してしまうと、大変なことになるかもしれません。
契約する業者を選ぶ際はしっかりと情報を集め、安心して契約できる会社と契約するようにしましょう。

請求書買取・審査のまとめ

請求書買取を利用する際にも審査はあります。
とはいえ金融機関から資金融資を受ける際の審査と比較すれば、非常に通りやすい審査といえます。
より気軽に利用できる資金調達方法が請求書買取といえるでしょう。

審査に関しては業者ごとに、それぞれ設定した基準で行っています。
1社で審査に通らなかった請求書でも、別の会社であれば審査に通ることも十分に考えられるでしょう。

審査が甘いといわれている業者はあるものの、中には悪徳業者が紛れ込んでいる可能性も十分にあります。
しっかり調べたうえで、審査を通してくれそうな業者を探すようにしましょう。

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