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請求書買取は、事業主が保有している請求書を買取業者に買取ってもらうことで、請求書の早期現金化ができるサービスです。一般的に銀行融資を受けづらいとされているフリーランスでも問題なく利用できるため、フリーランスの資金繰り改善に役立ちます。ただし、フリーランスが請求書買取を利用する際には、注意しなければならない事項があるのも確か。注意点を知らずに利用してしまっては、損をしたり、トラブルに巻き込まれてしまったりする可能性も否定できません。この記事では、請求書買取がフリーランス向きの資金調達方法である理由や利用時の注意点を解説します。
請求書買取とは、事業主が保有している売掛債権(請求書)を買取業者に買取ってもらうことで、請求書の現金化ができるサービスです。買取の際に手数料が発生しますが、決済期日前に現金を得ることが可能となります。つまり「売掛金の前払い」を受けられるサービスと考えると、わかりやすいかもしれません。
請求書買取の流れは以下の通りです。
① 買取業者に請求書の買取を依頼する
② 買取業者から利用者へ買取額(請求書額-手数料)が支払われる
③ 実際の決済期日に売掛先から支払われた売掛金を買取業者へ返還する
買取業者を通じて売掛金の前払いを受けただけなので、実際の決済期日には、回収した売掛金をそのまま買取業者へ返還することとなります。返還の完了をもって、請求書買取の取引も完了するため、長期的な返済等が発生することはありません。
請求書買取は「請求書を保有している事業主」であれば、誰でも利用できます。法人や個人事業主はもちろんのこと、フリーランスも例外ではありません。請求書買取は、ほかの資金調達方法と比べ、異なる毛色を多く持つ資金調達方法となります。それが故に、請求書買取は、フリーランスの資金繰り課題を解決し得る特徴を多く持っており、フリーランス向けの資金調達方法であると言えるでしょう。
請求書買取がフリーランス向けである理由は、以下の7つです。
1, 利用者の経済状況が審査に影響しにくい
2, 担保・保証人が不要
3, 負債を抱えない
4, 素早い現金化が可能
5, 売掛金を確実に回収できる
6, 資金使途の制限がない
7, 売掛先との取引関係に悪影響がない
請求書買取は、利用者の経済状況が審査に影響しにくいです。
なぜなら、請求書買取の審査では「売掛先の信用度」が重要となるから。利用者の経済状況や信用度よりも、売掛先がきちんと売掛金を支払うことができるかどうかが重要となります。そのため、利用者に赤字決算や税金未納などの金銭的な問題があったとしても、審査に大きな影響を与えることはありません。一般的に社会的信用が低いとされているフリーランスでも、請求書買取は問題なく利用できます。
銀行融資などの「借入」の審査では、利用者の信用度や経済状況が重要視されます。そのため、借入による資金調達を断られてしまうフリーランスも少なくありません。このような状況でも資金調達できる可能性が高いため、請求書買取はフリーランス向きと言えるでしょう。
請求書買取は、担保や保証人は必要ありません。
請求書買取は借入ではなく、あくまで「売掛金の前払い」です。借入の場合、得た現金に対して、必ず利子を含めた返済が生じます。返済が滞った場合には、担保を引き渡すことで返済の補てんをしたり、保証人が代わって返済をしたりしなければなりません。対し、請求書買取は、すでに支払われることが決まっている売掛金の前払いをしているだけです。本来の決済期日に売掛金を回収するだけなので、返済が生じることがありません。返済の必要がないため、担保も保証人も不要であり、利用ハードルは非常に低いです。
フリーランスは、担保や保証人を用意できないことも珍しくありません。そのため、有担保融資という形で融資を受けることも難しく、資金調達に頭を抱えやすいです。担保や保証人が用意できなくても資金調達できるため、請求書買取はフリーランス向けと言えるでしょう。
請求書買取で得た現金は、負債にはなりません。
請求書買取は、売掛金の前払いによる資金調達方法であり、借入とは異なります。売上として確定している金額の早期現金化をし、本来の決済期日に代金を返還するだけなので、負債を抱える必要がないのです。フリーランスは収入が安定しているとは言えず、毎月固定の収益があるとは限りません。そのため、借入によって負債を抱えた場合、毎月固定の返済ができなくなることもあるでしょう。返済不能になった場合には、信用情報に「未払い」や「支払い遅れ」等の情報が残り、向こう5年間消えることはありません。
請求書買取は負債を抱えないため、毎月固定した返済に備える必要も、信用情報が傷つく心配もなく資金調達ができます。負債を抱えることなく資金調達ができるため、フリーランスの資金繰り改善に役立つでしょう。
請求書買取は、最短即日~1週間程度で資金調達が完了します。
と言うのも、請求書買取は借入ではないため、厳重な審査が必要ないから。銀行融資などの借入は、厳重な審査が必要であるため、融資実行までに約1か月~2か月程度の時間を要します。対し、請求書買取では、厳重な審査を必要としないため、審査時間の大幅な短縮が可能となります。最短即日~1週間程度とスピーディな資金調達ができるため、緊急性の高い資金調達でも問題ありません。
また、迅速な資金調達ができるため、買掛金やクレジットカードの支払い遅れなども回避し得るでしょう。買掛金やクレジットカードの支払いが遅れてしまっては、取引先との信頼関係や信用情報を傷つけかねません。請求書買取は、フリーランスが抱えやすい金銭トラブルの回避にも役立つと言えます。
請求書買取を利用すれば、売掛金を確実に回収できます。
なぜなら、請求書買取は「償還請求権のない契約」が原則だから。償還請求権がないため、売掛先の倒産などにより、買取ってもらった請求書で売掛金の回収ができなくなってしまった場合でも、利用者は弁済を求められることはありません。フリーランスは、売掛先も小規模事業主であることも珍しくはなく、売掛金を決済期日に回収できないことも少なくはありません。請求書買取を活用すれば、確実に決済期日よりも前に現金を得られるため、フリーランスの資金繰り改善に役立つでしょう。
請求書買取で得た現金には、資金使途の制限がありません。
銀行融資などの借入で得た現金は、審査時に申告した資金使途以外に用いることはできません。申告した資金使途以外で使ったことが金融機関に知られた場合、早期返済や違約金の支払いを求められる可能性も高いでしょう。また、基本的には事業拡大や設備投資などのポジティブな資金使途でない場合、融資の審査に通過することは難しい傾向にあります。フリーランスは、事業資金と生活資金が混同しやすいことも珍しくなく、使途制限のある現金は利用しづらい可能性もあるでしょう。
対し、請求書買取は使途制限のない現金の調達ができます。事業資金に用いることはもちろん、生活費に充てても問題ありません。自由に使える現金を得られるため、請求書買取はフリーランスに最適な資金調達方法と言えるでしょう。
請求書買取は、売掛先との取引関係に悪影響を与えることなく資金調達ができます。
資金調達をした事実を売掛先に知られた場合、資金繰り悪化を疑われる可能性もゼロではありません。最悪の場合「経営が怪しそうだから新しい取引先を見つけとこう」など、取引解消や取引縮小など、取引関係に悪影響を与える可能性もあります。
請求書買取の2社間契約であれば、売掛先が一切関与することなく資金調達を行なえます。フリーランスは債権譲渡登記をする必要もないので、売掛先へ請求書買取を利用したことが知られる可能性もありません。フリーランスにとって、売掛先との信頼関係の悪化は取引関係の破綻に直結し得るでしょう。取引関係に悪影響を与えずに資金調達ができる請求書買取は、フリーランスにとって非常に有用です。
請求書買取はフリーランス向きの資金調達方法であり、フリーランスの資金繰り改善に役立ちます。しかし、フリーランスが請求書買取を利用する際には、いくつか注意しなければならない点も存在します。納得のいく資金調達ができるよう、以下に解説する注意点には気を付けてください。
フリーランスが請求書買取を利用する際の注意点は、以下の5つです。
1, フリーランスの請求書の買取に応じていない場合がある
2, 手数料が高くなる可能性がある
3, 2社間契約を利用できない場合がある
4, 売掛先が「個人」の請求書は買取できない
5, 悪質業者も存在する
請求書買取業者のなかには、フリーランスの請求書の買取に応じていない業者もいます。
と言うのも、請求書買取は、もともと法人向けの資金調達方法として誕生したものだから。その影響もあり、取引対象を法人に限定している業者も少なくはありません。法人のみを取引対象にしている業者の場合、もちろんフリーランスは利用できませんので、注意しましょう。
ただし、近年の働き方改革の影響を受け、フリーランスの請求書の買取に応じる買取業者も増加傾向にあります。利用時には、フリーランスに対応している買取業者かどうか確認するようにしましょう。
フリーランスが請求書買取を利用する場合、手数料が高くなる可能性があります。
買取業者は、請求書を買取る際に発生する手数料からほとんどの収益を得ています。フリーランスの場合、保有している請求書が少額なことも珍しくありません。手数料10%の場合、額面1,000万円の請求書では100万円が利益になりますが、額面10万円の請求書では1万円の利益にしかなりません。買取業者も事業として買取をしている以上、相応の収益は必要となります。そのため、100万円未満の少額債権では、手数料を上げることで収益を生み出す対策をしている業者も少なくないのです。フリーランスが保有している請求書は少額であることも多く、手数料が高くなる可能性がある点には注意が必要でしょう。
ただし、少額債権の買取を専門に行っている買取業者や、フリーランス特化型の買取業者であれば、独自のノウハウをもとに低手数料で利用できる可能性が高いです。フリーランスが請求書買取を利用する場合、専門業者に依頼するのが良いでしょう。
フリーランスの場合、2社間契約を利用できない場合もあります。
なぜなら、2社間契約を提供している買取業者のなかには、債権譲渡登記を必須としている業者もいるから。2社間契約は、売掛先が関与しないため、資金調達したことを売掛先に知られないというメリットがある契約方式となります。しかし、売掛先が関与しない仕組み上、二重譲渡や売掛金の持ち逃げリスクがゼロとは言えません。そのため、二重譲渡や持ち逃げを防止するために、債権譲渡登記を必須としている買取業者も少なくはないのです。
債権譲渡登記は法人のみが行えるものであるため、必然的にフリーランスは債権譲渡登記を必須としている買取業者を利用することはできません。債権譲渡登記に留保している買取業者もあるため、2社間契約を希望する際には、債権譲渡登記の留保に対応している買取業者を利用するようにしましょう。
請求書買取では、売掛先が「個人」の請求書の買取りはできません。
と言うのも、請求書買取で買取対象となるのは「売掛先が法人」の請求書だから。請求書買取では、売掛先が売掛金をきちんと支払えるかどうかの判断が非常に重要となります。売掛先が法人であれば、帝国データバンクや法人登記の情報などから、容易に与信調査を行うことができます。しかし、売掛先が個人の場合、正確な与信調査を行うことができません。売掛金の未回収リスクを正確に判断できないため、売掛先が個人の請求書の買取には応じない業者がほとんどなのです。
フリーランスの場合、売掛先もフリーランスや個人事業主であることも多いでしょう。しかし、個人へ発行した請求書では請求書買取は利用できないため、注意が必要です。
請求書買取業者のなかには、悪質業者の存在も確認されています。
悪質業者は、必要以上に高い手数料を要求してきたり、不要な諸費用を請求してきたりします。悪質業者を利用してしまっては、返って資金繰りは悪化しかねません。悪質業者に騙されないよう、以下に該当する業者は利用しないようにしましょう。
【悪質業者の特徴】
・譲渡売買契約ではなく貸付契約
・手数料が相場(1%~30%)から逸脱している
・手数料は相場の範囲内でもその他諸費用で高額請求してくる
・担保や保証人を要求してくる
・償還請求権ありの契約
・返還が一括ではなく分割可能(利息が発生する)
・業者の情報(住所や固定電話)が開示されていない
・契約書の控えをくれない
フリーランスが取引を行う場合、請求書を発行せずに口約束やメールのやり取りで済ませることも少なくはないようです。しかし、請求書買取を利用する際には「不備のない請求書」は非常に重要となります。請求書に不備があった場合には、請求書買取を利用できなかったり、利用できても手数料が高かったり、追加資料の提出を求められたりするかもしれません。
最低限の損金でスムーズに資金調達を行なえるよう、請求書には以下の項目を必ず記載するようにしましょう。
・売掛先の会社名、住所、電話番号
・利用者の氏名、住所、電話番号
・取引年月日(作成日ではなく取引先の締め日)
・取引内容
・請求額(税率ごとに区分して合計した税込み対価の額)
・支払期日
・振込口座の情報
弊社「請求書先払い」は、フリーランス様の請求書の買取も可能です。多くの買取業者が100万円未満の買取に応じていないなか、弊社は10万円~5,000万円までの請求書を買取対象とさせていただいております。少額債権は手数料が高くなりやすいですが、弊社は独自のノウハウをもとに、少額債権であっても業界最低水準の手数料2%~10%でご利用いただけます。また、審査通過率は90.1%を誇り、他社の審査で断られてしまった場合でも、ご利用いただける可能性が高いです。他社の審査に断られてしまった、少額の債権しか保有していない、他社では手数料が高すぎて困っている、このような状況のフリーランス様は、ぜひ一度弊社「請求書先払い」へご相談ください。