資金調達に困ったときに便利なのがファクタリングです。
しかしながら初めて利用する人は、以下のような不安を抱くことが多いでしょう。
「ネットで検索するとたくさんの企業が出てきて、どのファクタリング会社が良いのかわからない。」
「悪質なファクタリング会社があるって聞いたけど、安全なファクタリング会社ってどう選べばいいの?」
そこで今回は、ファクタリングの中でも安心に利用できる大手のサービスについてまとめました。
おすすめの選び方も詳しく解説していますので、契約後に失敗するリスクを最小限に抑えることができるでしょう。ファクタリングを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
大手ファクタリング企業の種類は大きく分けて以下の3つに分類されます。
● 独立系ファクタリング会社
● ノンバンク系ファクタリング会社
● 銀行系ファクタリング会社
どんな会社でも、売掛金を現金化して資金調達するメカニズムは共通ですが、審査の迅速さや手数料、買取限度額などは企業によって異なります。
自社のニーズに合った企業を選ぶためには、提供されているサービスの違いを事前に理解することが肝要です。以下では、それぞれの特長について詳しく紹介します。
独立系ファクタリング会社は、銀行やノンバンクとは一切関係なく、完全に独立したファクタリング会社を指します。
中小から大手までさまざまな規模の会社が存在しますが、一般的には小規模です。その特徴から柔軟性が高く、利便性ではノンバンク系・銀行系を上回ります。
この柔軟性を活かして、2社間ファクタリングや即日ファクタリング、少額ファクタリングなどが可能です。
ただし、手数料率は一般的に10~30%となり、調達コストが高いことが問題となるケースがあります。
手数料を下げるためには3社間ファクタリングを利用すれば良いのですが、状況によってはノンバンク系・銀行系の3社間ファクタリングの方が、手数料の安さなどメリットが大きい場合もあります。
ノンバンクは、預金業務を行わずに融資やリースなどの金融サービスを提供する金融機関を指します。
クレジットサービスを提供する信販会社や、個人向けのフリーローンを提供する消費者金融業者がその代表例です。
「ノンバンク系ファクタリング会社」と総称され、リース、ファイナンス、ローンなどさまざまな業務を取り扱っています。
ただし、独立系ファクタリング会社と比較すると柔軟性が低く、2社間ファクタリングを扱っていない場合が多いでしょう。
手数料が低い一方で、「スピード」や「利便性」など、ファクタリングの大きな利点が制約されることがあります。
銀行系ファクタリング会社は、メガバンクや都市銀行、地方銀行などが提供している企業のことを指します。
銀行の系列に属しているため、認知度、信頼性ともに高い傾向にあります。国際ファクタリングや回収代行サービスなど、多岐にわたるファクタリング業務を提供し、幅広いニーズに対応できるのも特長の一つです。
一方で、審査が非常に厳しく、数千万円から数億円規模の大口取引を主に扱っているため、中小企業や個人事業主が主に扱う少額取引では利用できない可能性があります。
また、審査完了までに2〜3週間ほどかかるため、急いで資金調達が必要な場合には向いていないかもしれません。
独立系・ノンバンク系・銀行系の3つの種類に限らず、大手ファクタリング会社を利用することで、以下のメリットがあります。
● 経験豊富で信頼度が高い
● 手数料が比較的安い傾向にある
● 大口の債権に対応可能
それぞれ詳しく解説していきます。
経験豊富で信頼性の高さが大手ファクタリング会社を使う一番のメリットでしょう。
ファクタリング業界には悪質な業者も存在し、違法な貸付けをする業者の摘発事例も多く見られます。
悪質業者を利用すると、高額な手数料が請求され、資金繰りが大きく悪化する可能性があります。
そのため、ファクタリングを活用する上で、悪質業者を避けることが絶対的な条件です。大手では、豊富な実績と経験があるので安心感があります。
特に、銀行系やノンバンク系はコンプライアンスが厳格であり、金融庁の監督を受けているため、悪質業者にあたるリスクはほとんど無いと言えるでしょう。
大手ファクタリング会社は、一般的に手数料が低い傾向があります。
手数料を比較すると、独立系、ノンバンク系、銀行系という順に低い傾向にあり、ノンバンク系・銀行系では手数料が2桁になることは、ほとんどありません。
逆に、独立系ファクタリング会社は手数料率が10%を超えることが多いですが、これはリスクの高い2社間ファクタリングを提供している影響です。
ただし、独立系でも大手ほど手数料が低い傾向があります。
大手は多くの業績と豊富な実績を持ち、ノウハウも蓄積しています。
そのため、審査の精度が高く、安心して取引できます。未回収リスクを過大に見積もり、手数料を取ることが少ないためコストを低く抑えられます。
大手ファクタリング会社は資金力があるので、売掛金の金額が大きくても契約してもらえる可能性が高いといえます。
ノンバンク系・銀行系では、利用限度額を公開していないことが一般的で、条件さえ合えばいくらでも買い取れる可能性があります。
特に銀行系は豊富な資金を有しており、リスク・リターンのバランスが問題なければ、多額のファクタリングにも対応可能です。
ノンバンク系列のファクタリング会社などは上限を設けている場合もありますが、それでも数億円単位での対応が一般的です。
独立系も、ノンバンク系・銀行系ほどではないものの、利用限度額が大きく「上限なし」とされる場合もあります。
多額の資金調達を希望する場合には、大手のファクタリングがおすすめです。
大手ファクタリング会社を使用するデメリットもあります。
主なデメリットは以下の6つです。
● 審査が厳しく容易にファクタリングできない
● 厳格な手続きで必要書類も多い
● 少額のファクタリングに非対応
● 個人事業主にはサービスを提供しない会社が多い
● 2社間ファクタリング非対応が多い
● オンラインで完結しない会社が多い
デメリットも考慮した上で最適なファクタリング会社を選びましょう。
審査が厳しいことが、大手ファクタリング会社のデメリットの一つだといえるでしょう。
独立系の大手ファクタリング会社は、一定の柔軟性も期待できますが、ノンバンク系・銀行系は非常に厳格な審査が行われることが一般的です。
これは、事業に対する姿勢の違いに起因しています。
小規模のファクタリング会社は、ファクタリングが主な業務であり、売掛金を買い取らなければ利益を確保できません。
柔軟な審査と条件で積極的にファクタリングをしていかなければ経営が成り立たないのが現実です。
対照的に、大手ファクタリング会社はファクタリング以外にも多岐にわたる事業に取り組んでおり、収益の柱もたくさんあります。
審査を厳格に行うことでリスク回避を図り、他の事業との調和を取りながら収益の安定を目指しているのでしょう。
また大手はその高い知名度により、顧客獲得が比較的容易であり、厳しい審査を通じて優良な債権を取り扱うことでビジネスが成り立ちます。
このような事業方針の違いから、中小企業のファクタリング会社と比較して、大手は審査が厳しい傾向にあります。
融資などと比べて、ファクタリングの利便性の良さは大きなメリットでしょう。
しかし小規模のファクタリング会社より大手は、前述のとおり審査が厳しい傾向があります。
信ぴょう性や回収不能リスクなどを確認する必要があるため、多くの書類が必要です。
また、書類の代替に柔軟性が乏しいため、書類の用意ができない場合はファクタリングできない可能性もあります。
このように大手ファクタリング会社を使用する場合、必要書類の作成・取得には手間と時間がかかるでしょう。
よって迅速な資金調達には向かないことがあります。急いで資金調達しようとすると、必要書類の不備が生じ、再提出や追加書類の提出が求められ、資金調達に遅れが生じるリスクがあります。
利便性と審査厳格性のバランスを考慮し、ファクタリングを検討する際は事前に必要書類の確認が重要です。
大手ファクタリング会社は通常、少額のファクタリングには対応していないことが一般的です。
これは、大手ファクタリング会社が、金額の大小に関わらず、厳格な審査プロセスやマニュアルを適用しているためです。
審査の厳しさや手続きはファクタリングの金額によって変わるものではないのです。
この厳格な審査や手続きが、大手ファクタリング会社が少額ファクタリングに対応しづらい理由となっています。
採算を確保するためには、大手ファクタリング会社は効率的かつ経済的に運営する必要があり、少額ファクタリングは割に合わないと判断されてしまいます。
特にノンバンク系や銀行系の大手ファクタリング会社では、少額ファクタリングに対応することは難しいと考えられます。
一方で、独立系ファクタリング会社では、多くが10万円台からの少額ファクタリングにも対応しています。
ファクタリングはもともと法人向けのサービスでしたが、最近では個人事業主向けのサービスも増加しています。
ただし、大手ファクタリング会社の中で銀行系やノンバンク系は主に法人向けに特化しており、個人事業主には対応していません。独立系も、一部を除いて個人事業主への対応が遅れています。
大手ファクタリング会社が個人事業主に対応しにくい理由は、主に採算の問題にあります。
大手ファクタリングは手数料率が低く、対応金額が大きいという特徴があります。
個人事業主の資金調達が数万円程度である場合、この低い手数料率では採算を確保できません。
そのため、大手ファクタリング会社は利用額の下限を高く設定しています。
個人事業主がファクタリングを検討する場合、個人事業主と法人の両方に対応している総合的なファクタリング会社や、個人事業主専門のファクタリング会社を利用することをおすすめします。
資金ニーズに合った、柔軟で効率的なサービスを得られるでしょう。
大手の独立系ファクタリング企業は、通常、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの双方を提供しています。
一方で、ノンバンク系や銀行系の主要なファクタリング企業は、一般的に3社間ファクタリングのみを提供し、2社間ファクタリングはサポートしていないことがよくあります。
消費者金融系列のノンバンク系ファクタリング企業の中には、2社間ファクタリングも提供していますが、銀行系ファクタリング企業は例外なく3社間ファクタリングのみ提供しています。
3社間ファクタリングでは、利用会社、売掛先、およびファクタリング企業の3社が関与する取引が行われます。
利用会社の資金繰りの問題が売掛先に知られるので、信頼を損なうリスクがありますが、ファクタリング会社にとっては未回収リスクが低いメリットがあります。
このため企業規模が大きい大手であればあるほど、2社間ファクタリングはリスクが大きいと判断されて対応できない場合が多いです。
サービスの選択肢が狭まるのはデメリットといえるでしょう。
オンラインファクタリングは、主に2社間ファクタリングで使われます。
しかし、大手の銀行系やノンバンク系のファクタリング会社は、2社間ファクタリングに対応していないことが一般的であり、特にオンラインファクタリングには慎重な姿勢を示しています。
また独立系ファクタリング会社のうち、一部の大手企業がオンラインファクタリングのサービスを提供しています。
しかし全体的には大手でオンラインを導入している企業は限られています。
大手ファクタリング会社がオンラインファクタリングを採用しづらい理由として、審査の厳しさにあるでしょう。
大企業ならではの仕組みとルールも原因の一つで、対面での契約が好まれる傾向です。
ただし、業界全体ではオンラインファクタリングの導入が進んでおり、数年前には限られたファクタリング会社のみが提供していたサービスも、最近ではオンライン専業の独立系ファクタリング会社も増加しています。
今後は、独立系ファクタリング業界全体でオンラインファクタリングが一般的になる傾向があります。
ただし、大手の銀行系やノンバンク系はオンライン化が進む中でも、その適用が遅れる可能性があります。
大手ファクタリング会社も、企業によってはメリット、デメリットが異なります。
適切なファクタリング業者を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。以下に、自社にとって優れたファクタリング会社を見極める的確な選定ポイントについて解説します。
● 2社間か3社間取引なのか
● 手数料
● 資金調達までの日数
● 利用限度額
● 償還請求権の扱い
● ファクタリング会社の規模や信頼度
これらのポイントを押さえて、自社に合ったファクタリング会社を選びましょう。
ファクタリングには2つの主要な形態があります。まずはどちらの形態が自社にとって最適なのかを選ぶのが非常に重要です。
● 2社間ファクタリング: ファクタリング会社と利用者との2社で取引が行われる形態です。手数料が高めなのがデメリットです。企業が資金調達を急ぎたい場合や、売掛先にファクタリングを知られたくない場合に向いています。
● 3社間ファクタリング: ファクタリング会社、利用者、そして売掛先の3社が関与する形態です。売掛金は直接売掛先からファクタリング会社に支払われます。手数料が2社間に比べて割安ですが、売掛先の了承が必要であり、取引に時間がかかる特徴があります。
一般的に、銀行系は3社間のみを取り扱っています。企業のニーズに応じて、都合が良い場合はノンバンク系か独立系を選ぶと良いでしょう。
ファクタリングは通常、銀行融資に比べて手数料が高い傾向があります。手数料の見積もりを複数社に依頼し、「手数料の妥当性」「追加費用の有無」などを確認することが重要です。
手数料は売掛先の信用力に依存し、売掛先が信頼性の高い上場企業であれば手数料が低くなります。
これは、上場企業の場合、倒産リスクが低いためです。また、オンライン完結型のサービスは、対面式よりも手数料が低い傾向があります。
手数料の高さは信用力と取引形態に依存しており、比較検討をすることで最適なファクタリング業者を見つけやすくなります。
ファクタリング会社によって、資金調達までにかかる日数は異なります。
ファクタリングを利用する場合、売掛債権をすぐに現金化したいケースが多いはず。
そのため資金調達にかかる日数を基準に、ファクタリング会社を選ぶのも重要です。
業者によって最短即日〜3週間程度と幅広いため、事前に現金化までのスケジュールを確認してください。
特にオンライン手続きを利用すると、対面よりもスピーディーに資金調達が可能となります。
さまざまなファクタリング会社が存在し、それぞれ買取限度額は異なります。
一部のファクタリング会社は100万円までの小口取引に対応していたり、他の企業は数億円までの大口取引に特化していたりします。
ただし、大手の銀行系は一般的に小口債権に対応していないことがあり、少額の売掛金ではサービスを受けることが難しい場合があります。
従って、買取限度額の下限は特に重要です。
中小企業や個人事業主がファクタリングを検討する際には、特に最低買取可能額に注目してください。
適切なファクタリング企業を選択するために、自社の売掛金の規模に合った買取限度額を確認しましょう。
2社間ファクタリングには、償還請求権がある契約とない契約の2つのタイプが存在します。
償還請求権とは、売掛先が倒産などで売掛金を回収できなかった場合に、ファクタリング会社が利用者にその金額を請求できる権利を指します。
したがって、償還請求権がある契約では、売掛金が支払われない場合でも、利用者がその金額をファクタリング会社に支払わなければなりません。
契約時に償還請求権の有無を確認することは重要であり、早期の売掛金現金化を目指す一方で、後々のトラブルを回避するために必要です。
通常、償還請求権がある契約では、ファクタリング会社のリスクが低く、そのため手数料も低く設定されています。対照的に、償還請求権がない契約では、ファクタリング会社にとってリスクが高まるため、手数料が高めに設定される傾向があります。
ただし、償還請求権がある契約を結ぶためには、ファクタリング会社は貸金業登録する必要があります。
貸金業登録なしに償還請求権がある契約を結ぼうとするファクタリング会社は、悪質な業者の可能性があるため注意しましょう。
ファクタリング会社を選ぶ際には、その規模や取引実績も確認することが重要です。
通常、資本金が多いファクタリング会社は財務基盤が強固で、大口債権にも柔軟に対応できます。資本金の多さは対外的な信頼性や経営の安定性を示す指標となります。
また、ファクタリング会社の事業開始時期が古いほど、信頼性の高い企業といえるでしょう。
悪質な業者やサービスは長くは続かないため、長期間にわたる営業ができるファクタリング会社は安心です。
一口に大手といっても、いろいろなファクタリング会社があります。
初めて利用される場合はどう選んでいいか迷ってしまうでしょう。
実際にファクタリング会社には悪質な業者もいますので、慎重に選ぶことをおすすめします。不安な人は、実績と信頼感のある大手のファクタリング会社の利用を検討してみてください。検討する際には、資本金や取引実績の豊富さ、金融機関との連携などのポイントを調査することが重要です。
本記事を参考に、どの大手ファクタリング会社が自社に適しているか検討してみましょう。