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ファクタリングは手数料が安いほどよい?手数料を徹底解説

事業を進めるうえで、運転資金などに困った場合に助けとなるのがファクタリングです。
手元にある売掛債権をファクタリング業者に譲渡し、債権の現金化を早めることにより、急場をしのぐ資金調達方法です。
近年利用する企業も増えています。

ファクタリングを利用する際に気になるのが手数料でしょう。
手数料は安いに越したことはありません。
今回はその手数料の相場や安い手数料で利用する方法など、ファクタリングの手数料に関して解説していきましょう。

ファクタリングの手数料相場

まずはなによりファクタリングを利用する際の手数料相場を紹介しておきましょう。

とはいえファクタリングにもさまざまな種類があります。
すべての手数料相場を紹介するのは難しいので、ここではもっとも一般的な法人が利用する売掛債権における、ファクタリングの手数料相場を紹介していきます。

2社間ファクタリングの手数料相場

まずはもっともポピュラーな、2社間ファクタリングの手数料相場を紹介しましょう。
2社間ファクタリングの手数料相場は5~20%程度といわれています。

2社間ファクタリングとは、債権をもつファクタリング利用企業と、ファクタリング業者の2社間で結ばれるファクタリング契約です。

利用する側のメリットとしては、債権の対象となる取引先には伝えることなく利用できる手軽さがあげられます。
また取引先に知られずに利用できるため、自社の信用面においても心配することはありません。

ただしファクタリング契約によっては、債権譲渡登記が必要なケースもあります。
決して取引先に知られることはないとは言い切れないので注意しましょう。

とはいえ取引先に知られることなく、自社の意思のみで利用できるため、利用されることが多いのがファクタリング契約です。

3社間ファクタリングの手数料相場

売掛債権を譲渡する一般的なファクタリング契約には、2社間ファクタリング以外に、3社間ファクタリングという方法もあります。
この3社間ファクタリングの手数料相場は10%未満です。
2社間ファクタリングよりも安い設定になることがほとんどです。

3社間ファクタリングとは債権をもつ利用企業とファクタリング業者に加え、債権の対象となる取引先も含めた、3社間で結ばれるファクタリング契約となります。

3社間ファクタリングにすると、安い手数料での契約が可能となります。
安い手数料で契約できる理由としては、何より債務をもつ取引先も納得しての契約であるという点があげられるでしょう。
取引先は自社が債務をもつ債権が譲渡されるという事実を知っていることになり、債務に対する入金は直接ファクタリング業者にすることになります。

2社間ファクタリング契約の場合、取引先はファクタリングを利用した企業に通常通り入金を行います。
ファクタリングを利用した企業は、取引先からの入金を確認したら、必要な金額をファクタリング業者に入金しなければいけません。

このタイミングでファクタリングを利用した企業が、ファクタリング業者に入金をしなければ、ファクタリング業者としては大きな損害になります。
しかし3社間ファクタリングにおいては、この心配がないことになるわけです。
その分安い手数料でも安心して契約できます。

ファクタリングに手数料が必要な理由

そもそも論になりますが、なぜファクタリングには手数料が必要なのでしょうか。
もちろんこの手数料の部分がファクタリング業者の利益となりますので、その分は必要というのは分かるでしょう。

ファクタリング業者の利益のためだけだとすれば、手数料の相場はさらに幅広くなるでしょう。
薄利多売ではないものの、儲けを薄くして取扱件数を増やそうという業者があってもおかしくありません。

現実としてそうなっていないことは、手数料の中に必要経費があることになります。
この必要経費に関して簡単に紹介していきましょう。

審査費用

まず必要となるのが審査に関する費用です。
ファクタリング契約を行う場合には、かならず審査を受ける必要があります。
審査は利用を申し込んだ企業に関する情報だけではなく、その売掛債権の対象となる取引先に関しても行われるものです。

申し込んだ企業の信用度や取引先の信用度をしっかりと調査し、債権に対する入金が行われた際、問題なくファクタリング業者に入金が行われるかどうかを審査します。
この費用に手数料が使われるのです。

債権譲渡登記費用

ファクタリング契約、とくに2社間ファクタリングの契約においては、債権譲渡登記が行われるケースもあります。

債権譲渡登記とは、ファクタリングを利用する企業とファクタリング業者の間で、売掛債権の譲渡が行われたことを法的に証明するための登記となります。
この債権譲渡登記が必須となっているケースが多いのは、債権の二重譲渡などに対する対策のためです。

債権の譲渡といっても書面上で行われるだけだと、実際に債権が譲渡されたかどうかが分かりにくくなります。
そうなるとファクタリング業者が危惧するのは債権の二重譲渡です。

もちろん違法行為となるものの、ひとつの債権を複数の相手に譲渡する契約を結ぶこと自体は、やり方次第で可能となります。
万が一こうした二重譲渡が行われた場合、効力を発揮するのが債権譲渡登記です。

債権譲渡登記により債権の譲渡が法的に証明できれば、その債権は契約したファクタリング業者の物であることが証明できます。
また登記を行うことで二重譲渡を防止可能です。

二重譲渡は違法行為ですので、二重譲渡と理解して行う企業はほぼありません。
しかし事故的に二重譲渡が発生する可能性はあります。
多くの企業は複数の債権をもっているものです。
どの債権をファクタリングで利用しているかなどの債権管理でミスが起こると、期せずして二重譲渡となってしまう可能性はあります。

こうした事故を防ぐ意味でも債権譲渡登記は必要であり、そのために必要な費用も手数料から充てられることになります。

納税のための印紙代

債権を譲渡する契約を行う場合、その債権の額面によっては納税の義務が発生するでしょう。
この納税は印紙を購入し貼付する形で行われますので、この印紙購入代金も手数料で賄われることになります。

印紙代金に関しては、債権の額面金額によって決まります。
債権の額面が1万円未満の場合は非課税、1万円を超える場合は200円です。

ファクタリングの手数料を安くする4つの方法

ファクタリングの手数料は上記のような理由で必要となります。
とはいえファクタリングを利用する以上、できるだけ安い手数料で契約したいのが本音でしょう。

ファクタリングを利用することは、できるだけ早く現金のほしい状態であることがほとんどです。
手数料が安いほど、手元に入る現金は増えるわけですからある意味当然でしょう。

そこで少しでも安い手数料で契約するために、必要となる4つの方法を紹介しましょう。

3社間ファクタリングを利用する

まずは最初に紹介した契約方法で、3社間ファクタリングを利用することがあげられます。
上記の通り3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングと比較すれば安い手数料で契約できることがほとんどです。
この方法を利用しない手はありません。

ただし問題がないわけではありません。
それは取引先にも納得のうえ、契約に参加してもらう必要があるという点です。

ファクタリングを利用する企業は、事情はさまざまでしょう。
しかしやはり「現金が不足し運転資金に困っている企業」という印象をもたれることが多く、取引先としては不安材料となることもあります。

もちろんファクタリングを行う目的が、単純な運転資金不足ではないというケースもあるかもしれません。
しかし取引先がもつ印象は変わらないでしょう。

どういった企業でも、経営状態が怪しい企業との取引は積極的に行いたいものではありません。
こうした印象をもたれる可能性があるという点では、将来的にマイナスになる可能性もあることは考えておく必要があります。

複数の業者から相見積もりを取る

3社間ファクタリングを利用せずとも、できるだけ安い手数料で契約するのであれば、やはり相見積もりという方法が有効でしょう。

ファクタリングという契約は、借り入れの契約ではありません。
債権を譲渡する契約ですので、手数料に関して法的な定めはありません。
なお借り入れの契約の場合は、貸金業法という法律において、金利がきちんと決められています。

手数料に法的な定めがないファクタリングにおいては、業者において手数料に違いがあります。
この違いを知るために、同じ売掛債権で複数の業者に見積もりを出してもらうのは効率的に手数料が安い業者を探す方法です。

この際気を付けたいのが、まずは見積もり無料の業者を探すことと、間違えて複数の業者と譲渡契約を結ばないことです。

しっかりと各業者の手数料や契約内容を見極め、もっとも手数料の安い契約ができるようにしましょう。

ファクタリングする売掛債権を見定める

安い手数料でファクタリング契約を結ぶためには、業者の見極め・契約方法の選択に加え、売掛債権の内容も重要なファクターとなります。
ファクタリング業者は債権が確実に現金化できると分かれば、当然安い手数料でファクタリング契約を結べるようになります。

債権の見極めに関してまず重要になるのが取引先の信用度です。
譲渡を申し込む債権の債務者となる取引先が、信用度の高い企業であれば当然回収できないというリスクは低くなります。

申し込みの際は、取引先が信頼できるという証拠をできるだけ用意しましょう。
また信頼できる取引先に対する債権で申し込むのがポイントです。

もうひとつは売掛債権の額面金額です。
手数料の中から経費として必要になる費用は上で紹介した通りとなります。
印紙代や審査費用などは、債権の額面金額とはあまり関連性がない費用です。

つまり100万円の債権でも、1,000万円の債権でも必要な経費に大きな差はないのです。
仮に必要経費が3万円の場合、100万円の債権であれば3%が必要となります。
しかし1,000万円の債権の場合、0.3%で足りることになります。

より手数料の%を下げたいのであれば、より高額の債権で申し込む方がよいでしょう。

ファクタリング業者から信頼を得る

最後の方法としては、ファクタリング業者からの信頼を得るという方法があります。

この方法は初めて利用するという場合は活用できない方法です。
しかし何度かファクタリングを利用しているという場合は、期待できる方法となります。

ファクタリング業者としても、これまで何の実績もない企業との取引よりも、過去に何度か取引している相手のほうが信用できます。
しかもきちんと入金があった企業の方が、信頼できる企業となるでしょう。

上記と繰り返しになりますが、ファクタリング業者は貸金業者ではありません。
貸金業者であれば信用情報機関を通して、他社での借り入れ状況や返済状況を確認できます。
しかしファクタリング業者には、こうした横の繋がりがありません。
信頼できるのは自社における取引実績のみです。

そのため複数回同じファクタリング業者を利用し、しっかりとして実績を残せば、手数料の安い契約が結べるようになる可能性は高くなります。

手数料の安いファクタリング業者を探す際の注意点

ファクタリング業者によって、手数料の設定はさまざまです。
また契約の細かな内容に関しても違いが発生します。

そこで手数料の安い業者を探す際に、気を付けておきたいポイントについて紹介していきましょう。

極端に手数料の安い業者は危険

ネット等でファクタリング業者を探すと、極端に手数料の安い業者もあるでしょう。
しかしここで気を付けたいのが悪徳業者の存在です。

ファクタリングという資金調達システムは、まだ誕生から歴史が浅く、法整備がそこまで追いついていないのです。
ファクタリング業者を開業するにあたって必要な資格や条件などもありません。
そのため少なからず悪徳業者もいるのが現状です。

悪徳業者の多くは、いわゆるヤミ金と呼ばれるような業者に近く、気づけば暴利で借金をする形になってしまうかもしれません。
またその取り立てが非常に厳しいなど、利用するだけで大きなマイナスとなります。

一般的な売掛債権によるファクタリング契約の手数料相場は、最初に紹介した通りです。
この相場よりはるかに安い手数料で顧客を獲得しようとしているような業者の中には、悪徳業者も存在します。

極端に安すぎる手数料を掲げている業者は、まずは悪徳業者として疑ってかかるようにしましょう。

契約内容にも注目

ファクタリング契約で大切なのは手数料だけではありません。
むしろ手数料よりも重要なのが細かな契約内容でしょう。

ファクタリング契約においては、どうしても安い手数料に気を取られがちです。
しかし実際に契約を結ぶ際は、どのような契約内容なのかをしっかりと精査しましょう。
自社に不利な内容になっていないかなどを考えて、契約を結ぶようにしましょう。

給与ファクタリングは手数料が高すぎるので利用しない

ここまでは一般
的に企業が行う売掛債権譲渡による、ファクタリング契約を紹介していきました。
ここから紹介したいのが、給与所得者の方が個人で利用する給与ファクタリング(個人間ファクタリング)に関してです。

給与ファクタリングとは毎月の給与を「給与債権」と見做し、この債権を譲渡することで現金を受け取るという契約です。
しかしこの給与ファクタリングを違法行為と見做す判例もあり、違法行為・ヤミ金業者による新たな貸し付け方法ともいわれています。

なぜ給与ファクタリングが違法となるのか、手数料の視点から解説していきましょう。

法定金利との差を解説

給与債権を譲渡する給与ファクタリングを行うこと自体は、違法行為ではありません。
ただし給与ファクタリングは、企業が行う売掛債権のファクタリングとは違い「貸金業」に該当します。

貸金業に該当する以上、金融庁から認可を得た貸金業者しか取り扱えません。
また貸金業法に則った手数料(金利)での貸し付けが必須となります。
なお貸金業法における法定金利は、10~100万円の貸し付けで年利18%が上限です。

仮に手取り30万円の給与を給与ファクタリングして、30日後に給与をファクタリング業者に入金するとした場合をみてみましょう。
貸金業法に則った手数料がどのくらいになるか計算してみます。

貸金業法における上限金利は、1年間でかかる金利です。
30万円借り入れた場合、1年間で54,000円、30日間では約4,438円です。
30万円・30日間のファクタリングで考えた場合手数料が4,438円、つまり約1.47%の手数料であれば貸金業法に抵触しないことになります。

しかしネットで見かける給与ファクタリングの手数料は15~20%程度です。
貸金業法の上限金利と比較しても、相当な暴利であることが分かります。

給与ファクタリングを取り扱っているのは、ほぼ間違いなくヤミ金業者です。
当然法を犯して貸し付けている業者ですので、取り立ても厳しく金利も暴利です。
決して近づかないようにしましょう。

ファクタリングの安い手数料のまとめ

ファクタリングを利用する以上手数料はかならず発生します。
この手数料ができるだけ安いファクタリング業者を探すことが、企業にとっては大きなプラスとなるのです。

安い手数料でファクタリング契約を結ぶにはいくつかの方法があります。
取引先とともに3社間ファクタリング契約を結ぶ、できるだけ額面金額の高い債権で利用するなどあるでしょう。
さらに同じファクタリング業者と繰り返し取引を行い、信頼を得るなどの方法です。

もちろんファクタリング契約を結ぶ以上、安い手数料というのは重要なポイントとなります。
しかし安い手数料だけではなく契約内容もしっかりと精査し、自社にマイナスのない契約を結べるように意識しましょう。

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