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請求書買取というサービスは、「ファクタリング」とも呼ばれております。
近年利用が増えている資金調達方法です。
手元にある請求書を買取業者に譲渡し、請求書の入金期日よりも早く現金を手元に確保できる方法となります。
資金融資とは違い借入金とはならないのが特徴です。
また条件によっては申し込み即日現金化も可能であります。
上手に利用できれば資金に対する不安を減少させられるサービスといえるでしょう。
今回は請求書買取と即日現金化に関して解説していきましょう。
企業経営者の方や個人事業主の方、さらにフリーランスの方まで利用できる資金調達方法に「請求書買取」というサービスがあります。
手元にある請求書を請求書買取業者に譲渡し、請求書が実際に現金化するよりも早く現金を手にできるサービスです。
「ファクタリング」とも呼ばれているサービスです。
請求書買取サービスの基本的な流れを紹介しておきましょう。
まず買取を希望する利用者が、請求書を請求書買取業者に持ち込みます。
請求書買取業者は審査を行い、買い取りに問題のない請求書と判断した場合、利用者と買取契約を結びます。
契約締結後請求書買取業者は、請求書の額面金額から手数料を差し引いた分を利用者に入金するのです。
利用者は請求書の早期現金化が叶います。
現金化されるタイミングは状況次第ですが、最短で即日対応というのが基本です。
後日請求書の額面金額が取引先から入金されたら利用者が一旦受け取り、その後請求書買取業者に入金して、取引は完了します。
請求書買取サービスは、基本的に企業が利用するものだと思うかもしれません。
しかし近年では個人事業主の方や、フリーランス向けの請求書買取サービスも増えています。
個人事業主やフリーランスの方の場合、請け負う仕事によっては先にある程度準備資金が必要なケースもあるでしょう。
たとえば小売店であれば、品物を仕入れなければ販売できません。
その仕入れの費用が準備資金となります。
フリーランスのライターの場合、記事を書く前に取材をしたり打ち合わせをしたり、フォトグラファーを雇ったりするでしょう。
実際の記事の報酬を手にする前に、ある程度の出費が必要となります。
こうした準備資金が足りないと、その後の仕事に差支えが出てしまいます。
そういった時に利用できるのが請求書買取サービスです。
請求書買取サービスにもさまざまな種類があり、それぞれ仕組みに特徴があります。
一般的に利用者が請求書買取業者に請求書を持ち込み契約することを、2社間契約と呼びます。
請求書買取の多くのケースがこの2社間契約です。
2社間契約の場合、利用者(もしくは利用企業)のみの判断で請求書買取を利用可能です。
手軽に利用できるというメリットがあります。
さらに契約内容が他に漏れることはありません。
取引先など他者に知られることなく利用ができるというのも、メリットといえるでしょう。
請求書買取サービスには、2社間契約以外に3社間契約というものがあります。
これは利用者と請求書買取業者に加え、利用者の請求書の宛先でもある取引先を加えた3社間で行う契約です。
3社間契約を行うメリットは、まず手数料が2社間契約と比較すると安くなるという点といえます。
請求書に沿って支払いを行う取引先も納得のうえでの契約です。
それだけ未回収のリスクを抑えられて、請求書買取業者も手数料を抑えられます。
一方デメリットは、利用者のみで請求書買取サービスを利用することを決められないことです。
急な出費で1日も早く現金がほしい場合、2社間契約であれば即申し込んで即日現金化も可能でしょう。
しかし3社間の場合、取引先の都合も考慮する必要があります。
また請求書買取サービスを利用することは、資金繰りに苦労しているという印象を他社に与えてしまいます。
こうしたイメージは後の取引にある程度影響を与える可能性があり、こちらもデメリットといえるでしょう。
請求書買取による即日現金化に関してですが、基本的に可能であるケースが多いかもしれません。
ハッキリと断言できないのはその請求書の額面金額や、請求書の相手である取引先の状況・審査に必要な時間などが、ケースによってさまざまであるという理由からです。
ただしフリーランスや個人事業主向けの請求書買取サービスで、比較的額面金額の安いものに関しては、ほとんど即日対応が可能と考えてよいでしょう。
もちろん個人事業主でもフリーランスでも、請求書の額面金額が安くても審査は必要です。
審査にどの程度時間がかかるかは、請求書買取業者次第です。
どうしても即日対応を希望する場合は、即日対応をした実績の多い請求書買取業者を選ぶとよいでしょう。
請求書買取サービスは、新たな資金調達方法として近年注目を集めています。
もちろん利用するにはメリットもあれば、デメリットもあります。
こうしたメリット・デメリットをしっかり把握したうえで利用するのが重要なポイントといえるでしょう。
まずは請求書買取サービスを利用するメリットを考えていきましょう。
企業を経営していても、フリーランスで働いていても、急に現金が必要になるシーンは少なくありません。
業務が順調にこなせていても、あるタイミングにおいて現金が不足することも十分考えられます。
そういった時に効果的なのが請求書買取サービスです。
上記の通り多くの請求書買取業者は、最短即日対応を掲げております。
急な出費にもスムーズに対応できるのは大きなメリットです。
同じ事業資金確保の方法としては、銀行など金融機関からの資金融資があるでしょう。
しかしこうした金融機関からの融資が、即日で行われることはまずありません。
多くの場合申し込みに必要な書類を集め、計画書などを作成し、数日間から数週間の審査期間を経て現金が融資されます。
請求書買取サービスのように、即日現金化というほどのスピード感はありません。
この点では非常に優秀な資金調達方法といえます。
請求書買取サービスと、金融機関からの資金融資で最大の違いが「借入金かそうではないか」という点です。
請求書買取は、請求書を譲渡する契約です。
請求書買取業者から現金を借り入れているわけではありません。
譲渡した請求書の対価を受け取っているという形になります。
そのため利用した企業や個人事業主の方の、借入金が増えることもありません。
借入金が増えないことは、財務諸表上は非常に健全な経営をしていることになります。
仮に後日事業拡大などの理由で、ある程度の資金融資を申し込んだとしましょう。
請求書買取であれば借入金は増えていませんので、審査にも通りやすくなります。
本格的にまとまった事業資金が必要な場合は金融機関から融資を受け、急に現金が必要になった場合のみ請求書買取サービスを利用する。
これが賢い利用法といえるでしょう。
2社間契約を結ぶ場合、とくに取引先に報告する必要はありません。
つまり取引先に知られることなく、最短即日現金化のサービスを受けられるというのも、メリットと考えてよいでしょう。
上でも少し触れましたが、請求書買取サービスを利用することは、運転資金に苦労しているという印象を他社に与えかねません。
こうした印象はその後の取引にも、ある程度影響があると考えられます。
取引先に知られることなく請求書を最短即日現金化できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
請求書があり数か月後には入金がある予定だったとしても、その入金が確実に行われるかどうかに関しては、取引先次第になります。
もし請求書を発行した後に取引先が倒産してしまう、支払不可能な状況になってしまうかもしれません。
その際は請求書の金額は回収不能となってしまうかもしれません。
そういったリスクをなくせるのが、請求書買取サービスです。
請求書事態を譲渡していますので、万が一売掛金を回収できなくても回収作業を行うのは、請求書買取業者になります。
まだ付き合いの浅い取引先などで、今ひとつ信用しきれない場合もあるでしょう。
その際は請求書買取サービスを利用するというのも、ひとつの方法となります。
ここまで請求書買取サービスを利用するメリットをあげていきました。
確かに借入金ではありませんし、最短即日現金化も可能と、基本的にはよいことの方が目立つというのは間違いありません。
しかしメリットばかりというわけでもありません。
メリットがある以上、デメリットもあるのが当然です。
請求書買取を利用する際のデメリットも確認しておきましょう。
まずはなんといっても手数料の存在が大きなデメリットとなるでしょう。
仮に請求書の額面金額が10万円だったとします。
この請求書を買取サービスに出したとき、手数料が10%かかったとします。
この場合10万円分の仕事をしたにもかかわらず、受け取れる報酬は9万円になるのです。
少額の請求書でもこれだけのデメリットがあり、請求書の金額が大きくなればそれだけ、手数料による「損失」というものも大きくなります。
もちろん最短即日現金化というメリットを享受する以上、ある程度は仕方ないかもしれません。
しかし働いた分の報酬が全額受け取れないという点は、理解しておく必要があります。
請求書買取のデメリットとして、依存性の高さも考えられます。
多くの企業や個人事業主・フリーランスの方にとって、仕事の報酬を受け取るために請求書を発行し、その数か月後に入金があるというのは日本国内の取引においては基本的なことです。
仕事から入金までのタイムラグを消せる請求書買取は、確かに便利なサービスです。
しかしそこには手数料の存在があります。
急に現金が必要となり、請求書買取を利用して即日現金化ができたとします。
その時点では助かるものの、現実としてその請求書の金額が入金されるタイミングで入ってくるべき、入金がなくなるのも事実です。
入金がなくなったことで、今度はそのタイミングでも現金不足が発生すると、再び請求書買取を利用することになります。
請求書買取には手数料が必要です。
利用すればするほど、自身の収入の一部を削っていくことになります。
業務が順調に回っており、ある程度黒字収支が出ている企業などの場合は、一度利用しても大きな問題ではありません。
しかし毎月何とか凌いでいる企業や個人事業主にとっては、この手数料で収入が削られることで、一気に赤字転落という危険性もあります。
請求書買取のサービスは確かに便利なサービスです。
しかしこのサービスに依存しすぎずに、必要な時だけ利用するというスタンスにしないと、徐々に経営は苦しくなっていくでしょう。
請求書買取サービスにはさまざまな契約内容が含まれます。
その中には上で紹介したメリットが享受できなくなる契約内容もありますので、注意が必要です。
たとえば「取引先にバレずに利用できる」というメリットを紹介しました。
しかし「債権譲渡登記」が必要な契約の場合、このメリットは享受できなくなる可能性があります。
債権譲渡登記とは、利用者が持つ債権を請求書買取業者に譲渡したことを、登記所に登記することです。
債権の二重譲渡を防止するために必要な登記ですが、問題は登記された内容は希望者であれば誰でも確認できることにあります。
つまり取引先の企業が登記を見てしまえば、利用者が請求書買取を利用していることが、取引先にもバレてしまうことになります。
また「売掛金回収不能を回避できる」というメリットを紹介しています。
これも「紹介請求権付」の契約の場合、このメリットもなくなるでしょう。
償還請求権とはもし譲渡した請求書にある売掛金が、取引先から入金されなかった場合、買い取りを申し込んだ利用者がその売掛金を保証しなければいけないというものです。
この条件付きの契約の場合、未回収のリスク回避はかなわないことになります。
もちろんこうした条件が付く契約もありますし、つかない契約もあります。
請求書買取を利用する場合、即日対応や手数料などだけに注目するのではなく、細かな契約内容に関してもしっかりと理解して契約するようにしましょう。
請求書買取サービスを利用する場合は、契約内容をチェックする以外にもさまざまなチェックポイントがあります。
当然手数料の問題もチェックが必要です。
自分が持つ請求書の額面金額の場合、どの程度の手数料が必要なのかは事前にチェックしておきましょう。
請求書買取を行っている業者は数多くあります。
また業者によって企業案件に強い業者やフリーランスに強い業者、個人事業主が中心の業者など特徴があります。
こうした特徴も把握しつつ、可能であれば複数社を候補として検討するとよいでしょう。
手数料以外にも注意しておきたいポイントに関して紹介していきましょう。
請求書買取サービスを利用する場合、請求書があれば申し込めるわけではありません。
請求書買取業者によって、必要となる書類はさまざまな書類があります。
この点に関しても事前に調べて準備しておく必要があります。
とくに即日現金化を希望する場合、即日で書類を用意する必要があるでしょう。
請求書買取業者の中には、請求書と預金通帳があれば申し込めるという業者もあります。
必要書類はかならずチェックしておくようにしましょう。
必要書類の中で、比較的問題となりやすいのが「決算書類」です。
すでに複数年業務を行っている個人事業主や企業、フリーランスの方であれば準備できるでしょう。
しかし業務を初めて1年以内という場合、決算書類がないというケースもあるでしょう。
決算書類を必要書類としている請求書買取業者は比較的多いものです。
ここで申し込めないと判断してしまう方もいるかもしれません。
決算書類に関しては、事前に請求書買取業者に事情を説明してみましょう。
多くの業者では、その代わりとなる試算表などで代用できるケースがほとんどとなっています。
決算書類がないからといって諦めず、まずは確認するのがおすすめです。
請求書を買い取ってもらうといっても、どういった請求書でも買い取ってもらえるものではありません。
買取可能な請求書を準備しましょう。
買い取ってもらえない請求書は、請求書買取業者によってそれぞれ設定があるものです。
ここでは比較的見かけることが多い条件を紹介しておきましょう。
★買い取り不可となりやすい請求書
• 個人が発行している請求書
• 過去に支払い遅れなどがある取引先への請求書
• 入金日が確定していない請求書
• すでに入金日が経過しているのに支払われていない請求書
請求書買取業者にとって、買い取った請求書がしっかり入金される請求書かどうかというのは非常に重要な問題です。
過去に支払いが遅れた取引先や、すでに入金日が過ぎているのに入金されていない請求書に関しては、まずどの業者に持ち込んでも買い取りはしてもらえません。
請求書を発行しているのが企業や官公庁ではなく、個人名義の場合も買い取りは難しくなります。
まずは買い取りを申し込む予定の請求書買取業者に問い合わせ、手元にある請求書が買い取りの対象になるかどうかを確認しておきましょう。
請求書買取を希望する方の中には、即日現金化を希望する方も少なくないでしょう。
請求書買取業者も「即日対応可能」と謳って営業しているケースが多く、どのような状況でも即日現金化が可能なように、思えてしまうかもしれません。
ただし即日現金化に対応できるかどうかには、さまざまな条件があります。
条件に関しては、請求書買取業者によって定められています。
いつでもかならず即日現金化が可能というわけではありません。
どうしても即日対応にこだわるのであれば、申し込む前にまず即日対応が可能かどうかを、申し込む業者に確認しておきましょう。
請求書買取のサービスを行う業者の中には、申し込みから審査・入金まですべてオンラインで完結できるサービスもあります。
もちろんすべてオンラインで完結できる買取サービスには、さまざまな条件がつきます。
とくにフリーランスの方や個人事業主の方向けのサービスでは、こうしたオンラインで完結できるサービスが増えているのです。
請求書買取は基本的に手軽に利用できる資金調達方法です。
すべてオンラインで完結できるのであれば、このサービスがより利用しやすくなります。
請求書買取サービスを利用して、請求書を即日現金化するのはおすすめできるのかという点に関しては、申し込む方の考え方次第になります。
たとえばどうしてもその日のうちに現金が必要な場合は、即日現金化がマストです。
数日中に現金があれば問題ないという場合は、即日にこだわる必要はありません。
請求書買取業者としても、即日対応はある程度リスクがある契約となります。
できるだけ信頼できる請求書のみ可能となっていることがほとんどです。
また業者によっては即日対応は可能なものの、即日対応の場合やや手数料が高くなるというケースもあります。
即日現金化が常におすすめとは言いきれません。
しかし急ぎの時は即日現金化も可能なサービスであると、認識しておくのがよいでしょう。
近年増加傾向にあるのが請求書買取サービスです。
企業や個人事業主・フリーランスの方が手元にある請求書を買取に出し、その額面金額を入金予定日よりも、早く手にするという資金調達方法です。
請求書買取サービスを提供している業者は多く、こういった業者の多くは最短即日対応を行っています。
即日対応に関してはある程度条件がつくケースが多いものの、可能であれば請求書の入金期日を待たずに現金が手に入る、非常にありがたいサービスとなります。
請求書買取サービスにはメリットが多いものの、デメリットがないわけではありません。しっかり契約内容をチェックし、自身に不利な契約をしないように注意しましょう。