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ファクタリングが法人に与える7つのメリットと5つの注意点を徹底解説

売掛債権をファクタリング会社へ譲渡・売却することで、売掛金の早期現金化ができるファクタリング。
「借りない資金調達方法」として着目され、利用者数は年々増加傾向にあります。
ファクタリングには「借りない資金調達方法」だからこそ、銀行融資などの借入では得られない多くのメリットが存在しています。
この記事では、ファクタリングが法人に与えるメリットや利用時の注意点を徹底解説します。

法人の資金繰り問題

日本の法人数は260万社を超え、その数は年々増加してきています。
なかでも、資本金1,000万円以下の法人が8割を占め、以前よりも法人化しやすくなっていると言えます。
そんな法人ですが、法人ならではの資金繰り問題を抱えやすく、資金繰りに悩まれている事業主も少なくはありません。
ここでは、法人が抱えやすい資金繰り問題について解説していきます。

銀行融資を受けられない法人も多い

起業間もない法人や規模の小さい法人の場合、銀行融資を受けられないことも少なくありません。
すべての法人が大手企業ということはなく、日本企業の約99%が中小企業となっています。
中小企業やベンチャー企業は、業務実績が少なかったり、運営歴が短かったりするという理由で、銀行融資を断られてしまうことも多いです。
特に、3期未満の法人や赤字経営の法人は、まず融資の審査は通過できないでしょう。
そのため、残念ながら、銀行融資を受けられなくて困っているという法人が数多く存在しているのが現状です。

担保や保証人を準備できない法人も珍しくない

銀行融資などの借入は、担保や保証人を用意できれば融資を受けやすくなります。
無担保融資と比べて有担保融資では、審査通過率も高く、年利や融資可能額なども好条件になりやすい傾向があります。
担保や保証人を用意できれば融資を受けられる可能性が高まることに違いありませんが、現状では担保や保証人を用意できない法人も少なくありません。
実際に経済産業省も、担保ありきでしか融資を受けられない現状を課題視しています。

支払いサイトの長期化により資金繰りは逼迫しやすい

日本の商取引は、信用取引が主流となっています。
信用取引では、商品やサービスの提供後、実際に代金が支払われるまでには約1ヶ月~半年の支払いサイトがあります。
つまり、売掛債権が発生してから、売掛金を回収するまでにはタイムラグがあり、すぐに現金化することはできません。
しかし、代金を受け取る前でも、外注費や従業員への給料の支払いは必要となります。
少ない資本金で起業する法人も多いため、売掛金を回収する前に、手元資金が枯渇してしまうという法人も少なくありません。
支払いサイトの長期化により、資金繰りが逼迫してしまう法人が多いのも現状の課題でしょう。

黒字倒産になる法人も多い

売掛先が多く、また、支払いサイトも長期化しやすい業種では、黒字倒産を余儀なくされる法人も少なくありません。
売掛金の決済期日前でも、行わなければならない支払いは多くあります。
売掛金を回収する前に、手元資金が枯渇してしまい、支払いができないなんてこともあるかもしれません。
最悪の場合、資金繰りを立て直すことができずに黒字倒産してしまうこともあるでしょう。

売掛債権を多く抱えやすい

日本の商取引は信用取引が主流。
そのため、売掛先が多いほど売掛債権を抱えやすいということになります。
売掛債権の状態では、売上として計上されてはいるものの、手元に現金化されているわけではありません。
売掛債権ごとに決済日も異なるため、多くの売掛債権を抱えていては管理も大変です。
万が一決済日までに支払われなかった場合、売掛先へ催促したり督促状を出したりする必要もあるでしょう。
管理コストが高い点にも注意が必要です。

ファクタリングが法人の資金繰り問題を解決できる5つの理由

ファクタリングは、事業主が保有している売掛債権をファクタリング会社へ譲渡・売却することで、売掛金の早期現金化ができるサービスです。
銀行融資などの借りる資金調達とは異なる「借りない資金調達方法」となります。
「売掛債権」を活用した資金調達方法は、経済水産省も推奨しており、銀行融資などの貸付よりも利用ハードルが低く、法人の資金繰り問題を改善し得ます。
ここでは、ファクタリングが法人の資金繰り問題を解決できる5つの理由を解説します。

1. 担保・保証人は不要
2. 銀行融資の審査に落ちていても利用できる
3. 負債にならない
4. 支払いサイトを短縮できる
5. 黒字倒産を回避できる

1.担保・保証人は不要

ファクタリングは、貸付契約ではなく「譲渡売買契約」です。
貸付の場合は、返済不能となった場合に備えて、返済額の代わりとなる担保や、代わりに返済額の支払いをする保証人が必要となります。
しかし、ファクタリングは貸付けではないため、返済という概念がありません。
そのため、ファクタリングは、原則として担保・保証人は不要となります。
担保や保証人を用意できずに融資を受けられない法人でも、ファクタリングであれば資金調達できる可能性は高いです。
融資以外にも資金調達できる選択肢が広がり、なおかつ資金調達できる可能性も高いため、資金繰り改善に役立つでしょう。

2.銀行融資の審査に落ちていても利用できる

ファクタリングは、融資審査とは異なる審査基準を持つため、銀行融資の審査に落ちていても利用できる可能性が高いです。
銀行融資など貸付の審査は「利用者の信用度」を重要視します。
融資額をきちんと返済できるかどうかが重要であり、返済能力の有無が審査の可否を左右します。
そのため、融資を申し込みした法人が、起業間もない法人や実績が不十分な法人の場合、融資を受けられないことも珍しくありません。
特に経営が悪化している状況では、まず融資審査に通ることはできないでしょう。

対し、ファクタリングの審査は「売掛先の信用度」を重要視します。
ファクタリングは、売掛債権の譲渡・売却による資金調達であり、売掛金が回収できるかどうかが最重要項目となります。
つまり、売掛先が売掛金をきちんと支払う能力があると判断できれば、利用者の経営状況などは関係ありません。
利用者に赤字経営や税金未納、金融ブラックがあっても、ファクタリングは利用できます。
銀行融資による資金調達ができない場面でも、資金調達できる可能性が高く、ファクタリングは非常に有用です。

3.負債にならない

ファクタリングはあくまで「売買契約」であり、貸付ではありません。
そのため、ファクタリングで得た資金は負債になりません。
銀行融資などの貸付では、融資額に応じて返済と利息が発生します。
返済は毎月固定で発生するものであり、経営が傾いたりした場合にも必ず支払わなければなりません。
状況によっては、返済するために新たな借入が必要になることもあるでしょう。
長期的な返済計画を立てる必要もあり、経営者に与える心的負担は大きいものです。
対し、ファクタリングは負債を抱えることがないため、毎月の返済もありません。
本来の売掛金の決済日に一括返還すれば、そこで取引は終了となります。
長期的な返済計画を立てたり、毎月の返済に備えたりする必要もないため、利用後の心理的負荷は少なく済むでしょう。

4.支払いサイトを短縮できる

ファクタリングは、申し込みから最短即日~1週間程度で売掛金の現金化ができます。
通常であれば、売掛債権が発生してから入金を受けるまでには1ヶ月~半年程度の期間を要します。
支払いサイトが長ければ、現金化されない期間の資金繰りは逼迫してしまうかもしれません。
しかし、ファクタリングは売掛金を即日で現金化できるため、支払いサイトの長期化が問題で生じた資金繰り問題を解決できるでしょう。

5.黒字倒産を回避できる

売掛金を回収する前に手元資金が枯渇してしまうことが原因で、黒字倒産を余儀なくされる法人も少なくありません。
これは、売掛金を現金化するまでにタイムラグがあることが原因で引き起こる問題と言えます。
そのため、即時に売掛金を現金化できるファクタリングなら、手元資金の枯渇を回避できる可能性は高いでしょう。
ファクタリングは、黒字倒産など法人のピンチ回避にも役立ちます。

ファクタリングが法人に与える7つのメリット

上でも解説したように、ファクタリングは法人の資金繰り改善に役立ちます。
しかし、ファクタリングで得られる効果は、資金繰り改善だけではありません。
ここからは、ファクタリングが法人に与える7つのメリットを解説します。

1. 企業評価を高める
2. 銀行融資の審査に有利に働く
3. 取引先との関係性悪化を防げる
4. 税金対策ができる
5. 確実に売掛金を回収できる
6. ビジネスチャンスを逃さない
7.売掛先の与信調査ができる

1.企業評価を高める

ファクタリングには、賃借対照表をオフバランス化する効果があります。
ファクタリングを活用すれば、借入金を抱えることなく現金を増やすことができます。
ファクタリングで得た資金を借入金の返済に充てれば、借入金を減らした上で資産を増やすこともできるでしょう。
その結果、ROAや自己資本比率などの企業評価の指標も改善することができます。

2.銀行融資の審査に有利に働く

ファクタリングを活用してスリム化した賃借対照表は非常に見栄えが良く、金融機関からも良い評価をされやすくなります。
ROAや自己資本比率は、銀行融資の審査でも重要視される指標です。
ファクタリングでこの指標を改善できれば、融資を受けづらい法人も融資審査に通りやすくなるでしょう。
銀行融資の審査の前にファクタリングで売掛金を現金に換えておく、という利用方法もあります。

3.取引先との関係性悪化を防げる

取引先によっては、資金調達したことが知られると「資金繰りが悪化しているのではないか…」など、経営難を勘ぐられる可能性があります。
最悪の場合「あの会社は経営が怪しそうだから、早めに違う会社と契約しておこう」など、取引解消や取引縮小につながる可能性も否定できません。
また、支払いサイトの長期化により資金繰りが上手くいかない場合、売掛先へ支払いサイトの短縮を依頼することもあるでしょう。
売掛先からすると支払いまでの期間が短くなるため、資金繰りに余裕がなくなる可能性がある交渉と言えます。
売掛先への負担を考慮すると、支払いサイトの短縮依頼は簡単にできるものでありません。
ファクタリングは、売掛先へ知られることなく資金調達ができる上、売掛先へ負担をかけず、主体的に支払いサイトを短縮することも可能です。
売掛先との取引関係に悪影響を与えずに資金調達できるため、法人の資金調達方法として非常に有用でしょう。

4.税金対策ができる

ファクタリングは、非課税取引に該当します。
そのため、ファクタリングで得た資金や手数料には、消費税がかかりません。
売掛金のままでは全額に対して課税が発生するため、高額な場合納税額も大きくなります。
ファクタリングは非課税取引であることに加え、ファクタリング手数料は損金として経費計上することもできます。
ファクタリングでは高額取引をすることも多く、ファクタリング手数料だけで数十万円~数百万円になることも珍しくありません。
手数料分、経費として処理できるため、節税効果にも期待できます。

5.確実に売掛金を回収できる

ファクタリングは、償還請求権のない契約が原則です。
償還請求権とは、売掛先が売掛金の支払いが不能となった際に、ファクタリング会社が利用者に弁済を求めることができる権利のこと。
ファクタリングには、この権利がありません。
つまり、売掛先の経営悪化や倒産などにより、売掛金が回収できなくなった場合でも、利用者は売掛先に代わって支払いをする必要がないのです。
売掛債権を抱えたままの状態では、決済期日を迎えるまで確実に売掛金を回収できるかどうかは分かりません。
売掛金は、手形のように法的強制力がないため、支払いが遅れたり、未払いとなったりしても法的に回収することができないのです。
その点、ファクタリングを活用して早期に現金化してしまえば、万が一売掛金の回収ができなくなっても、利用会社が被害を負うことはありません。
確実に売掛金を回収できるため、未払いや支払い遅れを心配する必要もなくなります。

6.ビジネスチャンスを逃さない

ファクタリングは、最短即日~1週間程度で売掛金を現金化できます。
現金が必要なタイミングで資金調達が可能である上、ファクタリングで得た資金には資金使途の制限がありません。
日本のビジネスは発展してきており、市場競争も激しいです。
参入のタイミングを間違えたり、事業拡大のタイミングを逃したりしては、法人でビジネスを成功させるのは難しくなるでしょう。
ファクタリングは、資金が必要なタイミングで資金使途のない資金調達ができるため、ビジネスチャンスを逃しません。

7.売掛先の与信調査ができる

ファクタリングの審査は「売掛先の信用度」を重要視します。
ファクタリングの審査に問題なく通過できたり、好条件でファクタリングを利用できたりする場合、売掛先は経営が安定している法人であると判断できます。
反対に、ファクタリング審査に落ちてしまったり、ファクタリング条件が厳しかったりする場合には、経営状態が芳しくない売掛先の可能性も否定できません。
法人が取引を行う際、取引先の経営状況は良いに越したことはありません。
経営状況が良いとは言えない売掛先の場合、売掛金の未払いが生じたり、突然取引ができなくなったりしてしまう可能性もあるでしょう。
取引先として妥当な相手なのかどうか、与信調査をする必要がありますが、与信調査には費用や手間がかかります。
ファクタリングであれば、資金調達のついでに与信調査を行うことも可能であり、法人の与信管理にも役立ちます。

法人がファクタリングを利用する際の5つの注意点

ファクタリングが法人に与えるメリットは数多く存在します。
しかし、法人がファクタリングを利用する際には、いくつか知っておくべき注意点もあります。
ファクタリングの効果を最大限にするためにも、以下の5つの注意点はしっかり把握しておきましょう。

1. 債権額以上の資金調達はできない
2. 短期間での頻回利用は資金繰り悪化につながるリスクがある
3. 悪質業者も存在する
4. 利用できない場合もある
5. 売掛先に知られる可能性はゼロではない

1.債権額以上の資金調達はできない

ファクタリングはあくまで「売掛債権の譲渡・売却」による資金調達方法であり、借入ではありません。そのため、売掛債権額以上の資金調達はできません。
さらに、ファクタリングを利用する際には、必ず手数料が発生します。ファクタリングの手数料は、売掛債権額に対して1%~30%が相場です。
売掛債権満額よりも、手数料分手元に入る金額は少なくなるため、注意が必要でしょう。
また、多くのファクタリング会社は、買取額として70%~90%の掛け目を設定しています。

1,000万円の売掛債権を保有している法人がファクタリングで資金調達をした場合を、例にして見てみましょう。

【掛け目80%、手数料10%】
買取対象額:売掛債権1,000万円×掛け目80%=800万円
手数料:800万円×手数料10%=80万円
早期現金化額:買取額800万円-手数料80万円=720万円

つまり、1,000万円の売掛債権を保有していても、早期現金化できるのは720万円ということになります。
掛け目の残額200万円は、実際の売掛金の決済日を迎えるまでは現金化できません。
保有している売掛債権全額を早期現金化できるわけではないので、注意しましょう。

2.短期間での頻回利用は資金繰り悪化につながるリスクがある

ファクタリングを利用する際には、必ず手数料が発生します。
手数料は売掛債権額に対して1%~30%であり、これは決して安いものではありません。
ファクタリングでは高額取引も多いため、手数料だけで数十万円~数百万円差し引かれることも珍しくありません。
ファクタリングを利用すれば、即日で資金調達できることは確かですが、利用しないときと比べると確実に手元に入る金額は少なくなります。
短期間で頻回利用した場合は、手数料分資金繰りは悪くなることでしょう。
さらに、代金入金を前倒しにしているだけなので、根本的な資金繰り改善にはならない点にも注意が必要です。
ファクタリングで資金繰りに余裕を持たせている期間に、根本的な資金繰り改善策を講じる必要があることは、理解しておくべきでしょう。

3.悪質業者も存在する

残念なことに、ファクタリング業界には悪質業者も存在しています。
悪質業者は、不必要に高額な支払いを請求してきたり、違法ともとれるような手数料設定をしてきたりします。
悪質業者を利用してしまっては、資金繰り改善どころか、トラブルに巻き込まれる可能性も否定できません。
以下に該当する場合は悪質業者の可能性が高いため、利用しないようにしましょう。

・担保や保証人を要求してくる
・償還請求権のある契約
・手数料相場(1%~30%)から逸脱している手数料
・手数料は相場内だが、その他諸費用で不透明な高額請求がある
・一括返還ではなく分割返還に対応している
・会社の情報(住所や固定電話)を開示していない
・契約書の控えをくれない

4.利用できない場合もある

ファクタリングは、利用者の信用度が低くても問題なく利用できます。
しかし、売掛先の信用度が低い場合には、買取してもらえない可能性もあります。
というのも、ファクタリングは償還請求権がないため、未回収リスクの高い債権の買取は断られてしまうから。
ファクタリングを利用したくとも、売掛先の経営状況次第では利用できないこともあるので、注意しましょう。
また、ファクタリングで買取対象となるのは、原則「法人が発行した確定債権」となります。売掛先が個人の場合や、支払期日が過ぎている不良債権は買取り不可なので、把握しておきましょう。

5.売掛先に知られる可能性はゼロではない

ファクタリングには「売掛先に知られずに資金調達ができる」というメリットがあります。しかし、これは一定の条件を満たした場合の話であり、全例で当てはまるわけではありません。
売掛先も契約に参加する3社間ファクタリングでは、必ず売掛先へファクタリングの利用を知られてしまいます。
また、売掛先が契約に関与しない2社間ファクタリングであっても、債権譲渡登記を行う場合は利用を知られる可能性はゼロではありません。
債権譲渡登記を行い、売掛先が登記録を閲覧した場合に限り、利用を知られてしまいます。絶対に知られたくない場合には、2社間ファクタリングかつ債権譲渡登記を行わない契約を結ぶ必要があるため、注意しましょう。

ファクタリングは法人の資金繰り改善に役立ちます

ファクタリングは、売掛金の早期現金化ができるサービスであり、法人の資金繰り改善に役立ちます。
特に、銀行融資に断られてしまった法人や、即日など緊急性の高い資金調達を必要としている法人にとっては、非常に有用です。
支払いサイトの長期化により資金繰りが逼迫してしまっている法人の方は、ファクタリングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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