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東京は日本の首都であり、さまざまなビジネスが盛んに行われています。事業所数も全国第1位であり、日本の経済活動の大半が東京に集中していると言っても過言ではありません。ファクタリング業界も例外ではなく、ファクタリング会社の多くは東京に拠点を置いています。そのため、東京の企業はファクタリングを利用しやすい環境と言えます。しかし、数多くあるファクタリング会社のなかから、自社に最適なファクタリング会社を選ぶのは容易ではありません。
この記事では、ファクタリング激戦区である東京で自社に適したファクタリング会社を選ぶためのポイントを解説します。
ファクタリングは、事業主が保有する売掛債権をファクタリング会社へ譲渡・売却することで、売掛債権の早期現金化ができるサービスです。銀行融資に断られていても利用できる可能性が高く、特に中小企業や個人事業主におすすめの資金調達手段です。
「ビジネスが盛んな場所にファクタリング会社あり」と言っても過言ではなく、日本で最もビジネスが盛んに行われている東京は「ファクタリング激戦区」と言えるでしょう。実際、日本のファクタリング会社の6~7割近くが東京を拠点に置いています。
ファクタリングは、銀行融資やビジネスローンなどの「借りる資金調達手段」とは全く異なるサービスです。ファクタリングは、売掛債権の譲渡・売却による資金調達であり「借りない資金調達方法」に該当します。
借りないからこそ得られるメリットが数多くあり、これは東京企業の資金繰り改善に非常に役立つことでしょう。ここでは、ファクタリングが東京企業の資金繰り改善に役立つ7つの理由を解説します。
1. 売掛金の早期現金化ができる
2. 最短即日で資金調達ができる
3.銀行融資に断られていても利用できる
4.取引先との関係性に悪影響を与えない
5.負債を抱えない
6.オフバランス化で企業評価が高まる
7.確実に売掛金を回収できる
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社へ譲渡・売却することで「売掛金の早期現金化」ができます。
日本の商取引は信用取引が一般的。信用取引では、商品やサービスの提供後に売掛債権が発生してから、実際に代金が支払われるまでには約1ヶ月~3ヶ月のタイムラグが生じます。業種によっては、代金入金が半年後となることも珍しくありません。売掛金を回収する前にも、従業員への給料の支払いや外注費の支払いはしなければなりません。十分な資金プールがなければ、売上があるにも関わらず手元資金が枯渇することで生じる「黒字倒産」を余儀なくされることもあるでしょう。
そのような場合、ファクタリングを活用すれば、支払いサイトを短縮できます。売掛金の決済期日を待たなくとも現金を手にできるため、黒字倒産や買掛金の未払いや遅延を回避できるでしょう。
ファクタリングは、最短即日~1週間で資金調達可能です。
銀行融資などの借入は、高額の資金調達に期待できるかもしれません。しかし、利用者の返済能力を正確に審査しなければならず、融資実行には1ヶ月程度の時間を要します。そのため、融資は、急な機材の故障や増注への対応など、緊急性の高い資金調達は得意ではありません。
対し、ファクタリングは、2社間ファクタリングであれば最短即日~3日程度、3社間ファクタリングでは最短3日~1週間程度で資金調達が完了します。資金が必要なタイミングで、資金調達できる可能性が高い点もファクタリングのメリットと言えるでしょう。
また、ファクタリングには資金使途の制限がありません。ファクタリングで早期現金化した資金を、新規事業や事業拡大の資金にしても問題にならないのです。東京はビジネスが盛んな上、流行り廃りの変動も激しいです。東京でビジネスを成功させるためには、ビジネスに資金を投じるタイミングも非常に重要。ファクタリングは必要なタイミングで資金調達が可能であり、ビジネスチャンスを逃しません。
ファクタリングは、銀行融資に断わられていても利用できる可能性が高いです。
銀行融資は借入による資金調達であるため「利用者に返済能力があるかどうか」が重要となります。そのため、利用者に赤字決算や税金未納があった場合、ほぼ審査には通過できません。
対し、ファクタリングは「売掛金の早期現金化」による資金調達方法。売掛金を回収できるかどうかが重要であるため、ファクタリングの審査では「売掛先の信用度」が重要視されます。つまり、売掛先が売掛金を支払う能力があると判断できれば、利用者に赤字決算や税金未納があっても問題ありません。
東京には大手企業だけでなく、多くのベンチャー企業や中小企業が存在しています。そのため、銀行融資に断られてしまう企業も少なくありません。銀行融資とは異なる審査基準で柔軟な審査を行うファクタリングは、東京の多くの事業主を助けられるでしょう。
2社間ファクタリングであれば、売掛先に資金調達をした事実を知られることがありません。
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社間で契約を結ぶ契約方法であり、売掛先は一切関与しません。そのため、売掛先へ資金調達したことを知られることなく、現金を得ることができます。売掛先によっては、資金調達したことで「経営が怪しいのではないか」など資金繰り悪化を疑われることもあるでしょう。最悪の場合、取引解消や取引縮小など、取引関係が悪化する可能性も否定できません。
しかし、2社間ファクタリングなら、誰にも知られることなく資金調達できます。特に、東京は企業数も多く、すぐに他の会社へ取引先を乗り換えることも可能な環境と言えます。取引関係の悪化は事業へ悪影響を与えかねません。取引先との関係性悪化の心配をせずに資金調達できる点も、ファクタリングの魅力と言えるでしょう。
なお、2社間ファクタリングでも債権譲渡登記を行う場合は、売掛先へ知られる可能性はゼロではありません。売掛先が法務局で登記簿を閲覧した場合に限り、ファクタリングの利用を知られてしまいます。絶対に知られたくない場合には、債権譲渡登記の留保に対応しているファクタリング会社を利用しましょう。
ファクタリングは、借入による資金調達ではないため、負債を抱えることはありません。
ファクタリングは、あくまで売掛債権の譲渡・売買であり「売掛金の先払い・前借り」ができるサービス。銀行融資など負債をかかえる資金調達方法は、長期的な返済計画を立てなければなりません。さらに、毎月固定の返済が生じるため、返済額が資金繰りを圧迫する可能性もあります。経営が傾いた場合でも返済は続けなければならず、リスクに感じる事業主も少なくありません。
対し、ファクタリングは利用時に1%~30%の手数料が発生しますが、売掛金の一括返還をもって取引が終了します。そのため、長期的な返済計画に頭を悩ますこともなければ、毎月固定した返済額も生じません。負債を抱えないため、信用情報に傷がつく心配も無用となります。長期的な返済計画や、返済不能時の対応などを考える時間を割くことなく、事業に集中できる点もファクタリングのメリットです。
ファクタリングで得た資金をもとに、既存の借入額を返済すれば、オフバランス化も可能です。
オフバランス化した賃借対照表は非常に見栄えが良く、ROAや自己資本比率などの企業評価の指標も高められます。この指標は、銀行融資などの借入の審査でも重要視される項目。東京は銀行の預貸率が高いとは言えませんが、ファクタリングでオフバランス化していれば、融資の審査通過率を高めることも可能でしょう。将来的に銀行融資による資金調達を希望している場合には、先にファクタリングで売掛金を現金化しておくのも有効です。
ファクタリングは、償還請求権のない契約が原則です。
償還請求権とは、売掛先の倒産などにより売掛金の回収ができなくなった際に、ファクタリング会社が利用者へ弁済を求めることができる権利のこと。ファクタリングには、この権利がないため、売掛金が未回収になった場合でも、利用者は弁済する必要はありません。つまり、ファクタリングで早期現金化してしまえば、債権不履行に対する心配も無縁になるのです。
東京はベンチャー企業や中小企業も多く、売掛先が倒産してしまうことも少なくはありません。売掛金を回収する前に売掛先が倒産した場合、売掛金を回収できる可能性は非常に低いです。せっかくの売上も回収できなければ、意味がありません。売掛金が高額であった場合には、会社が受ける被害は膨大となるでしょう。事業の競争率が高く、売掛先が倒産する可能性もある東京では、確実に売掛金を回収できるファクタリングは、非常に有用です。
東京はファクタリング会社の数が多く、ファクタリングを利用しやすい環境と言えます。しかし、数が多いが故に「どのファクタリング会社を選べば良いのかわからない」という問題も生じやすいです。
「自社に適したファクタリング会社」を選べない場合、ファクタリングで納得のいく資金調達はできません。ここからは、自社に適したファクタリング会社を選ぶためのポイントを解説します。自社に適したファクタリング会社選びは、資金調達成功のカギとなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ファクタリングには、対面契約とオンライン契約の2通りの契約方法があります。
対面契約では、利用者とファクタリング会社の担当者が対面で面談や書類の提出を行わなければなりません。ファクタリング会社を訪れる手間や時間的拘束が長い契約方法となりますが、直接顔を合わせられるためファクタリング会社と利用者との間に信頼関係を結びやすい方法と言えます。審査に不安がある場合や、初めてファクタリングを利用する場合には、対面契約の方が安心できるでしょう。
対し、オンライン契約では、申し込みから取引完了までのすべての手続きをオンライン上で行えます。書類の提出は専用フォームへの貼り付けや写真データの送付で行うため、ファクタリング会社を訪れる必要がありません。面談を不要としているファクタリング会社も多いため、時間的拘束も少なく、隙間時間などでファクタリング契約を結ぶこともできます。顔を見て契約したい場合には、LINEやzoomを用いたオンライン面談に応じているファクタリング会社を利用するのも良いでしょう。
信頼関係の構築や審査通過率を重要視するなら「対面契約」、手間を最小限にして時間を有効活用したい場合は「オンライン契約」がおすすめです。
ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2通りのファクタリング方式があります。
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社間で契約を結ぶ方式であり、売掛先は一切関与しません。そのため、ファクタリングを利用したことを売掛先に知られることなく、資金調達ができます。売掛先との関係性悪化の心配はありませんが、手数料は10%~30%とやや割高となります。ファクタリングの手数料は、売却する売掛債権額に対して発生するため、手数料だけで数十万円~数百万円となることも珍しくありません。
対し、3社間ファクタリングは、売掛先へファクタリング利用の通知を行い、承諾を得た上で売掛先も含めてファクタリング契約を結ぶ方式。売掛先が契約に参加することで、売掛金の未回収リスクは低くなるため、手数料は1%~10%と割安となります。しかし、3社間ファクタリングは、その仕組み上必然的にファクタリングの利用を売掛先に知られてしまいます。ファクタリングに理解のある売掛先なら問題ありません。しかし、売掛先によっては資金繰り悪化を疑われ、取引縮小や取引解消など取引関係が悪化する可能性も否定できません。
手数料だけで安易に選ぶのではなく、売掛先との関係性やファクタリングの理解度などをみてファクタリング方式を決めるようにしましょう。
ファクタリングは、素早い資金調達を得意とする資金調達方法です。しかし、選ぶファクタリング方式により、現金化までに要する期間に差があります。
2社間ファクタリングは、売掛先が関与しないファクタリング方式であり、手続きに時間を要しません。そのため、最短即日~3日程度で売掛金を現金化できます。「今すぐ現金が必要」「今日中に入金してほしい」など、緊急性の高い資金調達時には、2社間ファクタリングがおすすめです。
対し、3社間ファクタリングは売掛先も契約に参加するため、手続きがやや煩雑となります。そのため、即日での資金調達はできません。資金調達完了までには、最短でも3日~1週間程度は期間を要するため、理解しておきましょう。
なお、大手ファクタリング会社や銀行系のファクタリング会社は必要書類も多く、審査も厳しい傾向にあります。民間会社よりも資金化までに時間がかかるため、資金調達までにどの程度の時間的猶予があるのかでも、利用するファクタリング会社を絞ることは可能です。
優良ファクタリング会社の多くは、会社のホームページ上に過去の取引実績を掲載しています。
自社と同業との取引実績や、自社と似た状況での実績があれば、ファクタリングで資金調達を成功できる可能性が高まります。と言うのも、業界ごとに資金繰りの特徴は異なり、特徴を理解していなければ対応もしづらいため。例えば、製造業や建設業は支払いサイトが長期化しやすい、IT業界は納品完了までに修正が多く決済期日が延びやすいなど、業界ごとに特徴は異なります。自社と同業の取引実績がある方がスムーズに手続きが行える可能性は高いでしょう。
ファクタリング業者には、残念ながら悪質業者も存在します。
悪質業者は、必要以上に高額な支払いを請求してきたり、利用者の不利益になるような契約を結ばせてきたりしてきます。悪質業者と知らずに利用してしまっては、返って資金繰りを悪化しかねません。
以下に該当する場合は、悪質業者の可能性が高いため、利用しないようにしてください。
・償還請求権のある契約
・担保や保証人を要求される場合
・売掛金の返還が一括ではなく分割可能
・手数料が相場から逸脱している(1%~30%以外)
・手数料は相場内だがその他諸費用で高額請求される
・消費税が発生する(ファクタリングは非課税取引)
東京はファクタリング激戦区であり、ファクタリングを利用しやすい反面、自社に適したファクタリング会社を選ぶのは容易ではありません。しかし、ファクタリングの成功には、自社に適したファクタリング会社選びは不可欠です。
資金調達までの時間的猶予、売掛先との関係性、手数料負担、ファクタリング会社の実績など、総合的に判断することが重要。東京でファクタリングを成功させるためにも、ファクタリング会社選びは慎重に行いましょう。