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「ファクタリングサービスで利用できる売掛金(債権)は少額だと買い取ってもらえないの?」
「ファクタリングを利用したいのに、自社の売掛金は30万円程度の少額のものばかり…」
「少額の売掛金でも対応してくれるファクタリング企業はあるのかな?」
など、ファクタリングを利用したいけど、手持ちの売掛金(債権)が少額のものばかりで悩んではいませんか?もしくは以前に悩んだことはありませんか?
今回は、少額ファクタリングの利用について詳しく解説します。
記事の内容としては、ファクタリングの概要を解説後、少額ファクタリング対応の企業の特徴やメリット・デメリットについても紹介します。
特に、ファクタリングサービスを利用したい個人事業主の方や少額債権しか手持ちになくて、悩んでいる方のお役に立てる記事となっています。
また、少額ファクタリングが歓迎されにくい理由や、一般的な少額債権の金額などもお伝えしていますので、ぜひ最後までご覧ください。
最後まで読むことで上記のお悩みが解決され、経営改善や発展に繋がっていくことを願っています。では、まずはファクタリングとは何かから詳しくご説明していきます。
ファクタリングとは、企業(事業主)における資金調達ツールのひとつとして近年注目を集めているサービスです。具体的には、請求書や帳簿の売掛金を現金化するサービスのことを指します。
ファクタリングの仕組みは、企業(事業主)が保有している売掛金をファクタリング会社が買い受けることで、売掛金(売掛代金)を資金として提供する形です。
ファクタリングを利用すれば、売掛金の支払いが数か月先となるケースでも早めの入金が可能となり、請求書の売却であるため、帳簿上の借入金にも計上されません。
そのため「借りない資金調達」として、ここ近年急速に拡充し利用されるようになりました。
では、ファクタリングはいくらから利用できるのでしょうか。
結論から言えば、ファクタリング会社によって1万円からでも利用できます。
手数料が高くなる場合がありますが、少額の利用を検討している人はぜひ少額利用向けの会社を検討してみてください。
しかし、会社によっては10万円からしか受け付けていないところもありますので、会社選定の際にはご注意ください。
少額利用に関わらず、ファクタリングサービスを利用したいと考えた場合、いくつかのファクタリング企業を比較検討されることでしょう。
その際、以下の7つのポイントをチェックし、自社に合ったファクタリング企業を比較検討してみてください。
・売掛金(債権)の額面
・審査のスピード
・審査・契約方法|対面・郵送・ネット完結
・資金調達日数
・手数料
・企業情報
・提出書類の多さ
ここからは、各比較項目について詳しく解説します。
ファクタリング会社を選ぶ際、売掛金(債権)の額面チェックは必須です。
利用したい金額が少額の場合は、ファクタリングを受け付けてくれない企業もあります。
あくまで目安となりますが、ファクタリングの審査対象となる売掛金(債権)は100万円前後を基準としている会社が多いです。
とはいえ、少額売掛金(債権)を対象としたファクタリング会社もいくつかありますので、後ほど解説しています。
ファクタリング会社の選定時には、審査のスピードもチェックしておきましょう。
審査スピードは「資金調達日数」にも直結し、審査が早く終われば、その分資金調達も早くなります。
金利の低い大手銀行の融資では入金までに時間がかかることがデメリットですので、審査の早さを理由にファクタリングを選ぶ方もいます。
早急な資金調達を求めている方にとっては、審査のスピードを重視したファクタリングサービスを利用するようにしましょう。
ファクタリング会社を選定する際には、審査・契約方法もチェックしましょう。
一般的にファクタリングの審査は、主に以下の3つの審査方法がとられています。
・対面
・郵送
・ネット完結
近年は、新型コロナウイルスの影響もあり、ネット完結できるファクタリング企業も急成長して広がりを見せています。
対面で話さないと不安な方や、反対に接触が不安な方も、自分に合った審査の方法をとっているファクタリング会社を選ぶようにしましょう。
ファクタリング会社の選定では、資金調達日数もチェックポイントとなります。
むしろ、ファクタリングは融資と比べ審査のスピードと資金調達の早さがメリットとなるために、資金調達の早さを求めてファクタリングサービスの利用を検討している人も多いです。
ビジネスローンでも審査が早く終わるものはありますが、それでも即日入金可能なファクタリングサービスには及ばないでしょう。
それぞれの、概ねの資金調達日数は以下を参考にしてください。
・2社間ファクタリング(即日~1週間程度)
・3社間ファクタリング(1~3週間程度)
ファクタリング会社の選定では、手数料もチェックしましょう。
ファクタリングサービスのメリットは、審査の早さや早期資金調達・借金とならないなどのメリットが多くありますが、ファクタリング企業に対して支払う手数料が高いケースが多いのがデメリットです。
また、売掛債権が少額だと手数料を高めに設定されがちですのでご注意ください。
とはいえ、取引方法によっては、融資の金利・利子と変わらないほど低い手数料でファクタリングサービスを利用できるかもしれません。
そのため、ファクタリング企業を選ぶときには、手数料を必ずチェックするようにしてください。
また、ファクタリング企業やファクタリングの取引方法によって手数料は大きく異なります。
なぜこんなにも、手数料に差が出てしまうのかといえば、ファクタリングは売掛金(債権)の額面や売掛先の信頼など、さまざまな情報を元に判断されるため、一律提示ができないものとされているからです。
そのため、基本的には範囲で示されていますので、おおよそ納得できそうな手数料であれば利用を検討してみてください。
参考までに2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの手数料の相場を下記に示しています。
・2社間ファクタリング:1%~10%
・3社間ファクタリング:10%~30%
また、融資やローンにおける金利・利子とファクタリングの手数料の決め方には大きな違いがあります。
融資やローンに対してかかる金利や利子は基本として後払い(または、同時に支払っていくもの)となります。一方で、ファクタリングの手数料は売掛金(債権)売却時に手数料を差し引かれることとなります。
ファクタリングの手数料は法で定められていませんが、正規のファクタリング企業であれば、ホームページで手数料が公表されています。公表されていない場合にも、問い合わせ窓口を活用すると、手数料について説明を受けることができます。
手数料を少しでも抑えたいと考える方は、複数のファクタリング企業に相談・査定し比較検討してみてください。
ファクタリング会社選定の際は、企業情報もチェックしてください。
ファクタリングは社会背景に合せた非常に便利で世界各国でも利用されている資金調達方法です。しかし、日本ではまだ関連する法律が少ないために、悪質な業者が法の決まりをくぐり抜けて参入しやすい現状があります。
悪徳業者と契約してしまわないためには、企業情報の調査を入念にする必要があります。本当に、その企業が存在するのかどうか、信頼できる企業なのかどうかをしっかりと確認することが何より大切です。
一番確認しやすいところでは、ホームページの企業情報が挙げられます。
株主や業績・代表取締役や経営姿勢などが正しく記載されているか、所在地電話番号・問い合わせ窓口が明記されているかどうかを確認し、企業の信頼性を図りましょう。
このようにお伝えすると、ファクタリングに不安を抱えてしまう方もいるかもしれませんが、ファクタリングは合法で早期資金調達が可能な、事業主にとって非常に有益なサービスです。
ファクタリング会社の選定では、書類の多さも確認したいところです。
審査スピードや資金調達日数がどれだけ早くても、事前に準備する提出書類が多ければ、それだけ手間と時間を割くことになります。
いくら審査スピードが早くても提出書類の準備に手間がかかってしまう場合には、思いのほか時間がかかってしまう可能性もあります。
提出書類の多さも審査時には気にとめて、チェックするようにしてみてはいかがでしょうか。
では、ここからは少額ファクタリングを取り扱っている、サービス提供企業の特徴3つについて解説します。
ポイントは、主に以下の3つが中心となります。
・ネット完結(オンライン完結)
・個人事業主も対象
・契約フローが明確
こちらの3つについて、下記で詳しく解説します。
少額ファクタリングを受け付けてくれるファクタリング会社の特徴の1つとして、ネット完結(オンライン完結)があります。
ネット完結でファクタリング契約ができる会社は、その強みの他に併用して「少額ファクタリングも可能です」と、少額での取引を強みとしているケースも多いのが特徴です。
ネット完結のファクタリング会社は現在急速に拡充しているために、今後少額ファクタリングを受け入れてくれる企業も増えるかもしれません。
ファクタリング会社を選ぶ際の目安として、どのような取引内容なのかを確認してみてください。
少額ファクタリングを受け付けてくれる会社の特徴2つ目は、個人事業主も対象となっていることです。
個人事業主対象のファクタリング企業であれば個人事業主の経営規模にあわせた少額ファクタリングに対応してくれるケースが多いです。
しかし、個人事業主がファクタリング審査の対象となっていれば、必ずしも少額の売掛金(債権)の買い取りをしているとは限りませんので、ご注意ください。
少額ファクタリングを受け付けてくれる会社の特徴3つ目は、契約フローが明確なケースが多いことです。
契約フローとは、契約にまつわる内容や受け入れ内容などのプロセス、関連情報や契約情報のこと。
たとえば、ホームページで「ネット完結」「個人事業主対応」「即日対応」などの明確な契約フローが提示されている場合には、同時に「少額ファクタリング対応」とされている場合も多いものです。
ここまでで少額ファクタリング可能な会社の特徴を紹介しましたが、ファクタリング会社によって「少額ファクタリング」の申し込みができないケースも意外と多いものです。
ネット完結が広まりを見せ始めたことで、少しずつ最小取引金額が低くなってきてはいますが、未だ数十万円以上の制限を設けている会社が多くあります。
その理由は、主に以下の2つが中心となります。
・ファクタリング会社が利益を出しにくい
・回収不能リスクが高まる
詳しく解説しましょう。
1つ目の理由は「ファクタリング会社の利益」と関係します。
ファクタリング企業は、売掛金(債権)の買取手数料が自分たちの利益となります。
ファクタリングにおける手数料は法で定めることが難しいとされており、売掛金(債権)や企業の信頼などさまざまな要件によって金額が変動します。
そのため、高額債権では手数料の割合を低く設定した場合にも高額の利益を見込むことができ、ファクタリングサービス提供側のコスト生産が高まります。
一方、少額債券では手数料の割合を高く設定した場合にも少額の利益しか見込まれないケースがほとんどです。
このような理由から「少額売掛金(債権)」がファクタリングの対象外となってしまう場合があるのです。
2つ目の理由は「回収不能リスクが高まる」ことにあります。
万が一、少額の売掛金(債権)が回収不能(貸し倒れ)となった場合に、ファクタリング企業に被害が少ないという点では少額ファクタリングはファクタリング会社にとって大きな利点となります。
一方で、高額債権を所有している企業は、企業自体の資産や信頼経営力が高い傾向にあり、そもそもの回収不能(貸し倒れ)となる可能性が低いのです。
そのため、少額売掛金(債券)は「回収不能となる可能性も高い」と、リスクを懸念する結果となってしまいます。
ファクタリングでいうところの「少額債権」とは、一体どの程度の金額を示すのでしょうか。
実は、少額債権は「いくらから」と定義されているわけではありません。
ただ一般的に、100万円前後の売掛金(債権)を基準に受け入れるファクタリング企業が多いため、50万円未満の売掛金(債権)は少額債券と見なされることが多いです。
とはいえ「100万円前後」という設定金額は一般的な目安です。ホームページなどで「少額売掛金(債権)対応可能」とされている企業へ、直接問い合わせてみるようにしましょう。
少額ファクタリングに申し込むメリットは、主に以下の2つとなります。
・売掛金(債権)を複数合算できる
・個人事業主の場合に債権譲渡登記の必要がない
この2つのメリットについて詳しく解説していきます。
少額ファクタリングのメリットの1つ目は、売掛金(債権)を複数合算できることです。
企業によっては複数の少額債権をまとめることで、100万円を超えるケースもあると思います。
100万円以上の早急な資金調達が必要な場合「少額債権をまとめファクタリングを利用し、資金調達ができれば助かる」と考える方もいることでしょう。
少額ファクタリング可能なファクタリング会社では、そのような悩みに対応した複数の売掛金(債権)を合算し契約できるケースも多いとされています。
少額債権をまとめて買い取ることができるファクタリング企業の場合には、少額ファクタリングの大きなメリットとなります。
少額ファクタリングのメリットの2つ目は、個人事業主の方に限られますが、債権譲渡登記の必要がないことです。
債権譲渡登記とは、登記することでサービス利用者が倒産した際も、売掛債権を所持していることを第三者に証明できるものです。また、倒産まで至らなくとも二重譲渡などのトラブルにも「債権譲渡登記」を持っていることで対処できます。
債権譲渡登記の費用は一般的には5万円以上は必要とされており、サービス申込み者にとっては非常に大きな負担となります。
しかし、債権譲渡登記は多くの場合「法人のみ」とされており個人事業主の方々は債権譲渡登記をする「必要がない」とされていることがほとんどです。
少額ファクタリングを利用検討している個人事業主の方にとっては、債権譲渡登記を求められず、その費用負担がないことは大きなメリットとなります。
では、反対に少額ファクタリングに申し込むデメリットについてもお伝えしましょう。
デメリットは主に、以下の2つとなります。
本来の売掛金よりかなり少額となる
債権譲渡登記を求められた場合はかなりの出費となる
少額ファクタリングのデメリットの1つ目は、本来の売掛金よりかなり少額となることです。
ファクタリングを利用すると手数料が必要となります。ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり手数料も異なります。
それぞれ以下のような手数料がかかってきます。
・2社間ファクタリングの手数料:売掛金の10%~30%
・3社間ファクタリングの手数料:売掛金の1%~10%
仮に、30万円の売掛金(債権)を利用して、2社間ファクタリングを選択し20%の手数料を差し引かれた場合を考えてみましょう。
30万円(売掛金)-(30万×20%の手数料)=24万円
30万円の売掛金が24万にまで減ってしまいます。
本来の売掛金よりかなり少額となる場合がほとんどで、それが少額ファクタリングのデメリットと言えるでしょう。
少額ファクタリングのデメリットの2つ目は、債権譲渡登記を求められた場合はかなりの出費となることです。
少額ファクタリングのメリットとして述べた「債権譲渡登記」ですが、2社間ファクタリングを利用した場合には「債権譲渡登記」を求められる場合もあります。
たとえば、先程の計算図にさらに「債権譲渡登記」が必要となったと想定して計算してみましょう。
30万円売掛金(債権)を利用して、2社間ファクタリングを選択し20%の手数料を差し引かれた場合について。
30万円(売掛金)-(30万×20%の手数料)=24万円
24万円(ファクタリングを行った売掛金額)-5万円(債権譲渡登記費用)=19万円
30万円の売掛金が19万円程度になってしまう可能性もあります。
※債権譲渡登記の費用は、利用額に関わらず一律で、さらに手数料も必要となります。
近年では、2社間ファクタリングでも債権譲渡登記を必要としないファクタリング企業も増えています。
ファクタリング会社を選定する際には、債権譲渡登記も合わせて確認してみてください。
最後に、ファクタリングにおける悪徳業者の存在を紹介します。
ファクタリングは融資と違って「利息制限法」などの利息の上限を定めた法律に守られていません。
そのため、ファクタリング業社の中には、法の隙間を狙った「手数料を超過して請求する業者」が存在しています。
また、ファクタリングを装った悪徳業者もいるのが現状です。
ファクタリング会社の選定の際に、悪徳業者かどうかを見分けるための方法として、商業登記簿が挙げられます。
商業登記簿とは、企業(法人)であることの一定事項を記載しているもので、法務局へ申請すれば誰でも商業登記簿を閲覧・取得することが可能です。
また、一定の条件を満たして手続きを行えばパソコンやスマホといったオンラインでも照会可能な登記簿です。
また、こちらが調べたことも相手には知られることがないために取引先に不安を感じる場合にはとても有効な調査方法といえます。
商業登記簿に記載されている項目としては下記があります。
・企業名
・企業所在地
・代表取締役の名前
・企業の目的
・営業内容
・設立年月日
・役員に関して
・支店
今回は、少額ファクタリングについて詳しく解説しました。
少額ファクタリング対応の企業は、以下のような特徴があります。
・ネット完結(オンライン完結)
・個人事業主を対象としている
・契約フローが明確
合わせて、ファクタリング会社選定に必要な企業情報のチェックや少額ファクタリングのメリット・デメリットなどを参考にしてファクタリングの利用を検討してみてください。少額ファクタリングは、手数料を差し引くと本来の売掛金よりかなり少額になってしまうことや債権譲渡登記が必要になった場合、その費用は約5万円ほどになります。そのため少額過ぎると手元に残る額が少なくなってしまうことがデメリットです。しかし、少額な売掛金を複数合算してくれる会社もあります。また基本的には個人事業主の場合は債権譲渡登記の必要がないので、個人事業主の方で売掛金を複数合算してもらえたら理想的な資金調達になるかもしれませんね。
ファクタリングによって、最適なキャッシュフローの改善や企業運営を実現しましょう。