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ファクタリングの手数料相場は?手数料を決める6要素と安く抑えるコツや注意点を解説

ファクタリングを利用する際には、売却する売掛債権額に対して手数料が発生します。ファクタリングの手数料相場は、1~30%と広範囲。ファクタリングでは、数百万円や数千万円など、高額な金銭取引が行われることも少なくありません。「たかが数%」と思っていると、手数料で数十万円・数百万円の差が生じることもあるでしょう。

この記事では、ファクタリングの手数料を決める6つの要素と、ファクタリングの手数料を安く抑えるコツを解説します。ファクタリングの手数料に関する注意事項も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

ファクタリングの手数料の内訳

ファクタリングの手数料には、以下のようなものが該当します。
・基本手数料
・債権譲渡登記の費用
・印紙代
・出張費
・審査手数料、事務手数料
ひとつずつ詳細を見ていきましょう。

基本手数料

基本手数料とは、ファクタリングの利用そのものに生じる手数料です。

ファクタリングは、償還請求権のない契約が原則。そのため、売掛金の未回収リスクも含めて、売掛債権を買い取ります。つまり、売掛金が未回収になった場合、損失を受けるのは利用者ではなく、ファクタリング業者ということ。このリスクへの保障と、ファクタリング業者が得る利益により、基本手数料は構成されているのです。

そのため、売掛先企業の経営状況が悪い、倒産リスクが高いなどの状況では、基本手数料は高くなるでしょう。また、売掛先企業が関与しない2社間ファクタリングでは、売掛先の正しい与信調査が難しい、利用者に持ち逃げされるリスクがあるなどの理由から、基本手数料は高く設定されています。

債権譲渡に関する対抗要件具備のための手続きとして、債権譲渡登記があります。債権譲渡登記をした場合、売掛債権の所有権がファクタリング業者にあることを第三者へ主張できるようになります。ファクタリング業者のリスクは低くなるため、基本手数料も安くなるのが一般的です。

債権譲渡登記の費用

2社間ファクタリングの場合、二重譲渡防止や債権譲渡の事実を公的に証明する目的で「債権譲渡登記」を求められることがあります。債権譲渡登記には、登録免許税7,500円(債権個数5,000個以下の場合)と5~10万円程度の司法書士報酬が発生します。

債権譲渡登記をすることで、一般的に基本手数料は安くなります。しかし、登録免許税と司法書士報酬は、利用者の自己負担となるものです。基本手数料額と債権譲渡登記に生じる費用、どちらの負担額が大きいのかの検討が必要になるかもしれません。

印紙代

債権譲渡契約を「紙の契約書」で行う場合、印紙代200円(1万円以上の債権譲渡の場合)が発生します。

債権譲渡契約とは、債権の同一性を保持したまま、債権の譲渡人から譲受人に権利を移転させる譲渡契約のこと。これは、印紙税法において「債権譲渡または債務引受けに関する契約書」に該当します。そのため、債権譲渡契約書は「第15号文書」として、課税対象となります。

1万円未満の債権譲渡は非課税であるため、印紙代は生じません。しかし、1万円以上の取引には印紙代200円が発生します。ファクタリングは、ほとんどの場合1万円を超える取引となるので、印紙代は生じると思っておいて間違いありません。

なお、紙の契約書を作成しない「電子契約」の場合は、印紙代もかかりません。すべての取引がオンライン上で完結するオンラインファクタリングでは、印紙代は発生しませんので、把握しておきましょう。

出張費

ファクタリングを利用するにあたり、ファクタリング業者が利用者の会社へ訪問して対応してくれる場合もあります。この場合、訪問する際に生じた交通費を「出張費」として請求されることもあるでしょう。

利用したいファクタリング業者が遠方の場合は、出張費だけでも数千円・数万円請求されてしまうかもしれません。出張費がかからないファクタリング業者もあるため、利用時には確認するようにしましょう。

審査手数料・事務手数料

ファクタリングを利用するにあたり、売掛先企業の与信調査は必須となります。また、銀行振込の手数料など、事務的な経費が発生することもあるでしょう。これらの費用を審査手数料・事務手数料として、数千円程度請求されることもあります。

しかし、ファクタリング業者により、審査手数料や事務手数料を基本手数料に含んでいることも珍しくありません。また、場合によっては、基本手数料を安く見せるために、事務手数料を高くしているようなケースもあるようです。諸費用を別途請求される場合は、内訳を確認するようにしましょう。

ファクタリングの手数料を決める6つの要素

ファクタリングの手数料の内訳を理解したら、次は「ファクタリングの手数料がどう決まるのか」これを理解しておくことも大事です。債権譲渡登記費や印紙代は、定額であり、どのファクタリング業者を利用しても変わりはありません。

しかし、ファクタリング手数料の大部分を占める「基本手数料」は、ファクタリング条件や売却する売掛債権の内容により、大きく変動します。基本手数料は、ファクタリング業者の利益や、売掛金の未回収リスクに左右されるのです。

ファクタリングの手数料を決める要素は、以下の6つです。

  1. ファクタリング方式
  2. 売掛先の与信
  3. 売掛債権の金額
  4. 売掛金の決済日までの残日数
  5. 債権譲渡登記の有無
  6. 利用者の与信

1,ファクタリング方式

ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2つのファクタリング方式があります。どちらの方式を利用するのかにより、手数料は大きく異なります。

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング業者の2社で契約を結ぶ方式であり、売掛先にファクタリングの利用を知られません。手続きが少ないため、最短即日で資金調達できる点が特徴。しかし、売掛先が関与しないため、売掛先の詳細な与信調査が難しい点や、利用者へ一度売掛金が入金されるという仕組みから、ファクタリング業者のリスクが高い方式と言えます。そのため、2社間ファクタリングの手数料は10~30%と割高です。

3社間ファクタリングは、売掛先も契約に参加する方式。売掛先へのファクタリング利用の通知が必須ですが、正確な与信調査ができる上、売掛先からファクタリング業者へ直接売掛金の支払いが行われます。そのため、ファクタリング業者のリスクは低く、手数料も1~10%と割安となります。

2,売掛先の与信

手数料を決める際、売掛先の与信は非常に重要です。

ファクタリングは、償還請求権のない契約が原則。そのため、売掛先が売掛金の支払いをできなくなった場合でも、利用者へ弁済を求めることができません。売掛債権を買い取った時点で、ファクタリング業者は売掛金の未回収リスクも引き受けることになるのです。

そのため、売掛金の未回収リスクが高ければ手数料は高く、未回収リスクが低ければ手数料も安くなります。

3,売掛債権の金額

譲渡・売却する売掛債権の金額でも、手数料は変動します。

基本手数料は、売掛金の未回収リスクへの保障と「ファクタリング業者の利益」で構成されています。ファクタリングの手数料は、買い取る売掛債権の額に対して数%という形で請求されるもの。そのため、売掛債権が少額の場合、ファクタリング業者が得られる利益も少なくなるでしょう。利益を上げるため、100万円以下の少額債権では、手数料が高くなる傾向にあります。

また、利用者の事業規模に対して、売却する売掛債権が高額すぎる場合も、手数料は高くなりやすいです。これは、売掛金を回収できなかった場合のファクタリング業者の損失が大きいから。売却する債権額が大きいほど手数料が安くなるという訳ではないので、注意しましょう。

4,売掛金の決済日までの残日数

売掛金の決済日までの残日数も、重要な要素です。

決済日までの残日数が長い場合、決済期日前に売掛先の経営が悪化する可能性も否定できません。経営が悪化してしまえば、売掛金を回収できなくなってしまうため、ファクタリング業者のリスクは高いと言えます。

そのため、決済日までの残日数が短いほど手数料は安く、残日数が長いほど手数料は高くなります。

5,債権譲渡登記の有無

債権譲渡登記の有無でも、手数料は変わります。

債権譲渡登記をしていれば、ファクタリング業者は売掛債権の所有権が自分にあることを、主張できるようになります。そのため、二重譲渡や売掛金を持ち逃げされるリスクの心配がいりません。ファクタリング業者のリスクが低くなるため、債権譲渡登記をしている場合、手数料は安くなるでしょう。

6,利用者の与信

2社間ファクタリングの場合、利用者の与信も手数料に関与します。

一般的にファクタリングは、利用者の与信が審査や手数料設定に関与しないとされています。赤字決算や財務超過があっても利用できる可能性は高いです。しかし、2社間ファクタリングに限り、利用者の与信も全くの無関係というわけではありません。

2社間ファクタリングは、売掛先が関与しないため、売掛金の回収が「売掛先→利用者→ファクタリング業者」の流れとなります。一旦利用者のもとへ売掛金が入金される仕組み上、きちんと売掛金をファクタリング業者へ返還してくれる利用者かどうかの判断が必要となるのです。

過去に取引をしたことがあったり、誠実さがあったりなど、信頼が高いと評価できれば手数料は安くなるかもしれません。

ファクタリングの手数料相場

上で解説した6つの要素で、ファクタリングの手数料は決まります。

ファクタリングは貸金業ではないため、貸金業法や利息制限法は適用されません。そのため、ファクタリングの手数料設定は、ファクタリング業者に一任されています。同じ売掛債権の売却であっても、利用するファクタリング業者により手数料設定が異なることも珍しくありません。

ファクタリングは70%、80%を超える高手数料設定をしていても、違法にはなりません。しかし、高すぎる手数料設定は悪質であり、利用してしまうと資金繰りを悪化しかねません。ファクタリングの手数料設定には法的制限はありませんが、ある程度の相場が設けられています。ファクタリング方式ごとの手数料相場を、以下に解説します。

2社間ファクタリングの手数料相場は10~30%

2社間ファクタリングの手数料相場は、10~30%です。
ファクタリングを利用する上で1番高い手数料相場となりますが、それにはきちんと理由があります。

2社間ファクタリングは、売掛先が参加せず、利用者とファクタリング業者の2社間で取引を行います。そのため、売掛先の詳細な情報を調査することができません。さらに、売掛金の回収も一旦利用者を挟んで行う仕組み上、持ち逃げされるリスクもゼロではありません。ファクタリング業者にとって、売掛金未回収リスクが高いため、手数料相場も高いというわけです。

とは言え、最短即日で資金調達できる上、売掛先との関係性悪化の心配も無用であり、メリットが大きいファクタリング方式と言えます。これらのメリットから、ファクタリングを利用する約8割が、この2社間ファクタリングを利用しています。

3社間ファクタリングの手数料相場は1~10%

3社間ファクタリングの手数料相場は、1~10%です。

3社間ファクタリングは、売掛先も参加するファクタリング方式。そのため、2社間ファクタリングで懸念された「売掛先の正確な与信調査ができない」ことも「売掛金の持ち逃げリスクがある」ことも、心配いりません。ファクタリング業者にとって、リスクの低い契約方式であるため、手数料相場は割安となっています。

しかし、必ず売掛先にファクタリングの利用が知られてしまう点には要注意。ファクタリングへの理解が乏しい売掛先の場合、資金繰りを疑われる可能性もあるでしょう。取引解消や取引縮小など、取引関係に悪影響を与えるかもしれません。

オンラインファクタリングの手数料相場は1~20%

すべての取引がオンライン上で完結するオンラインファクタリングの場合、2社間ファクタリングでも手数料相場は1~20%と、やや割安です。

オンラインファクタリングも、通常の2社間ファクタリングも、ファクタリング業者が抱えるリスクは変わりません。しかし、オンラインファクタリングの場合、ファクタリング業者の人件費や事務所代などの経費が少なくて済みます。経費削減できている分だけ、手数料も安くできるというわけです。

ファクタリングの手数料は高い?安く抑える7つのコツ

一般的にファクタリングの手数料は高いと言われています。ファクタリングは数百万円、数千万円の取引を行うことも多く、数%の手数料の違いでも、資金調達できる金額に数十万円、数百万円の差が生じることも珍しくありません。

例えば、5,000万円の売掛債権を売却する際、
① 手数料1%なら資金調達額は4,950万円
② 手数料10%なら資金調達額は4,500万円
③ 手数料30%なら資金調達額は3,500万円
このように、手数料により調達額が大きく変わります。

そのため、できることなら1%でも安く抑えたいと思う方も、多いのではないでしょうか。
ファクタリングの手数料を安く抑えるためのコツは、以下の7つです。

  1. 売掛先の与信を高める資料を揃える
  2. 3社間ファクタリングもしくはオンラインファクタリングを選ぶ
  3. 売掛金の決済日までの残日数が少ない売掛債権を選ぶ
  4. 債権譲渡登記を行う
  5. 少額債権は避ける
  6. 複数のファクタリング業者を比較する
  7. 利用者の誠実さをアピールする

1,売掛先の与信を高める資料を揃える

売掛先の信用力が高ければ、ファクタリングの手数料を安く抑えることができます。2社間ファクタリングは、売掛先が関与しないファクタリング方式です。そのため、ファクタリング業者は、売掛先の信用力を帝国データバンクの情報や、提出資料から審査しなければなりません。特に、帝国データバンクに登録されていない零細企業の場合には、手数料が高くなる可能性が高いです。

そこで、
・取引歴が長いことが確認できる書類
・過去の取引で一度も売掛金の未払いや遅延がないことが証明できる資料
など、売掛先の与信を高められる資料を用意できれば、手数料を安く抑えられるでしょう。

2,3社間ファクタリングもしくはオンラインファクタリングを選ぶ

2社間ファクタリングを選ぶよりも、3社間ファクタリングを選んだ方が手数料は安く抑えられます。2社間ファクタリングの手数料相場10~30%に対して、3社間ファクタリングの手数料相場は1~10%と割安。3社間ファクタリングは、売掛先が関与することでファクタリング業者のリスクが低くなるため、手数料も安くなります。

しかし、3社間ファクタリングは売掛先の理解がない場合、少し危険なファクタリング方式となります。売掛先から資金繰り悪化を疑われ、取引関係が悪化する可能性もゼロではありません。

そんなときは、2社間ファクタリングでもオンラインファクタリングを利用するのが良いでしょう。オンラインファクタリングであれば、1~20%の手数料相場で利用可能です。

3,売掛金の決済日までの残日数が少ない売掛債権を選ぶ

売掛金の決済日までの残日数が少ない売掛債権を選ぶことでも、手数料は安くできるでしょう。

ファクタリング業者が最も恐れているのは、売掛金の未回収リスク。決済日までの残日数が長い場合、決済日までに売掛先の経営が悪化してしまう可能性も否定できません。決済日までの残日数が短ければ、よっぽどのことがない限り急激に経営が悪化することはないでしょう。

そのため、同じ売掛先の売掛債権でも、決済日までの残日数が少ない方が手数料は安くなります。

4,債権譲渡登記を行う

債権譲渡登記を行うことでも、手数料は安くできる可能性があります。

債権譲渡登記を行えば、ファクタリング業者は売掛債権を所有していることを第三者へ主張できるようになります。万が一、二重譲渡や売掛金の持ち逃げをされても、所有権を主張できるため、売掛金の回収ができるのです。そのため、債権譲渡登記をした方が手数料は安くなる傾向にあります。

しかし、債権譲渡登記には免許登録税と司法書士報酬とで、約10万円程度の費用が生じます。手数料負担と登記費用負担のどちらが高額になるのかは、考慮する必要があるでしょう。

また、債権譲渡登記をして登記を売掛先に見られた場合は、ファクタリングの利用を知られてしまいます。取引関係悪化のリスクも伴いますので、債権譲渡登記の有無は慎重に決めるべきでしょう。

5,少額債権は避ける

売掛債権を複数所有している場合は、少額債権を避けることをおすすめします。

100万円未満の少額債権の譲渡・売却に応じているファクタリング業者もありますが、少額債権は手数料が高くなる傾向にあります。なぜなら、少額債権の場合、手数料から得られるファクタリング業者の利益は少ないから。

例えば、手数料10%で、売掛債権100万円と売掛債権1,000万円の売却をした場合、
・100万円の売掛債権で得られる利益は、10万円
・1,000万円の売掛債権で得られる利益は、100万円
このように、ファクタリング業者の利益が少なくなるため、少額債権では手数料を高くして、利益回収するしかありません。

とは言え、売却する売掛債権が高ければ高いほど、手数料も安くなるとは限りません。あまりに高額な売掛債権の場合、売掛金が未回収になった際のファクタリング業者の損失は大きくなります。利用者の事業規模に合わないほどの高額債権の場合は、手数料は高くなるため、注意しましょう。

6,複数のファクタリング業者を比較する

ファクタリングを利用する際には、複数のファクタリング業者を比較するのが良いでしょう。というのも、ファクタリングの手数料は、ファクタリング業者により異なるから。

同じ売掛債権の譲渡・売却であっても、利用する業者により、手数料に数%、数十%の差が生じることも珍しくありません。審査基準もファクタリング業者により異なるため、複数社で見積もりを取り、一番安い手数料の業者を利用するのも一つの手です。

7,利用者の誠実さをアピールする

2社間ファクタリングの場合、利用者の信用力も手数料設定に関与します。売掛金が一旦利用者の元へ入金され、その後ファクタリング業者へ送金する仕組み上、持ち逃げリスクがあるからです。

事前面談や電話でのやり取りがあるならば、誠実さをアピールしてみましょう。利用者とファクタリング業者間に信頼関係を築ければ、手数料は安くできる可能性が高いです。
なお、多くのファクタリング業者では、2回目以降の利用で手数料が安くなる傾向が強いです。これは、過去の利用で利用者の信用度を評価できているからに他なりません。

ファクタリングの手数料に関する注意点

ファクタリングの手数料に関する注意点を把握していないと、悪徳業者に騙されたり、思わぬトラブルに発展したりしてしまうかもしれません。ここでは、ファクタリングの手数料に関する注意点を解説します。

ファクタリングの手数料に関する注意点は以下の5つです。

  1. 高い手数料設定にする悪徳業者が存在する
  2. 手数料には消費税は発生しない
  3. 手数料だけでなく総請求額を確認する
  4. 手数料が安いからと「償還請求権あり」の契約は結ばない
  5. 債権譲渡登記の有無の選択は慎重に行う

以下に詳細を解説していきましょう。

1,高い手数料設定にする悪徳業者が存在する

ファクタリング業界には、残念ながら悪徳業者の存在が確認されています。

悪徳業者は、手数料相場から逸脱した手数料設定をしていることが多く、利用すると資金繰りが悪化してしまうかもしれません。手数料相場から極端に逸脱している場合は、悪徳業者の可能性が高いため、利用しないようにしましょう。

2,手数料には消費税は発生しない

ファクタリングの手数料には、消費税はかかりません。

ファクタリングは非課税取引であるため、ファクタリング自体にも、ファクタリングで生じる手数料や調達した資金にも消費税はかかりません。しかし、この事実を知っている人はあまり多いとは言えないのも確か。そのため、手数料に対する消費税という題目で不要な費用請求をしてくる悪徳業者もいます。

ファクタリングの手数料には、絶対に消費税はかかりませんので、しっかりと把握しておきましょう。そして、消費税を要求してくるような悪徳業者は、利用しないようにしましょう。

3,手数料だけでなく総請求額を確認する

ファクタリングを利用する場合、手数料だけではなく、すべての請求額を確認するようにしましょう。

上でも述べたように、悪徳業者は適当な理由をつけて不要な請求をしてきます。手数料は相場の範囲内に留めておき、その他諸費用で不透明な請求をしてくることも少なくありません。ファクタリングで生じる諸費用は、債権譲渡登記の費用や出張代程度。このほかの項目で諸費用を請求される場合は、どういう理由で請求されているのか、説明をしてもらうようにしましょう。

4,手数料が安いからと「償還請求権あり」の契約は結ばない

ファクタリング業者の中には、手数料を安くするからと「償還請求権あり」の契約を提案する業者もあるようです。しかし、償還請求権ありの契約は、純粋なファクタリングとは言えません。

ファクタリングは、原則償還請求権のない契約を結ぶもの。償還請求権がある時点で、売掛債権を担保とした融資とみなされる可能性が高いです。融資の場合、ファクタリング同等の手数料設定をしていると違法となります。

また、償還請求権がある契約では、売掛金未回収となった場合、利用者が弁済しなければなりません。これは、利用者にとってリスクが高い取引となるため、償還請求権ありの契約は結ばないことをおすすめします。

5,債権譲渡登記の有無の選択は慎重に行う

上でも述べましたが、債権譲渡登記を行うと手数料は安くなる傾向が強いです。

しかし、手数料が安くなるからと言って、安易に債権譲渡登記を行うのは、少し危ないかもしれません。債権譲渡登記を行うにも、免許登録税や司法書士への報酬として約10万円の支払いが生じます。売却する売掛債権の金額次第では、手数料負担よりも債権譲渡登記に必要な費用の方が高くなる可能性もあるでしょう。

また、債権譲渡登記をした場合、売掛先にファクタリングの利用が知られるリスクがゼロではなくなります。なぜなら、債権譲渡登記は一般閲覧可能なものだから。売掛先が債権譲渡登記を閲覧した場合に限り、ファクタリングの利用を知られてしまうのです。

これらの理由から、債権譲渡登記の有無は、手数料負担と登記費用負担を比較するほか、売掛先との取引関係悪化のリスクも考慮して、慎重に決めるべきでしょう。

まとめ:ファクタリングの手数料を正しく理解して利用しましょう

この記事では、ファクタリングの手数料について解説しました。
ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングで10~30%、3社間ファクタリングで1~10%、オンラインファクタリングで1~20%の手数料相場があります。売掛先の信用力が高く、売掛金の決済日までの残日数が少ない債権ほど、手数料は安くなるでしょう。その他にも、3社間ファクタリングを用いることや、債権譲渡登記を行うことでも手数料は安くなりますが、売掛先との取引関係に悪影響を与える可能性も否定できません。
ファクタリングを利用する際には、手数料を正しく理解し、悪徳業者に騙されないように注意しましょう。

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