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ファクタリングでバランスシートは改善される?そのメリットを紹介

ファクタリングという資金調達方法は、近年日本国内でも注目を集める方法です。
企業経営者にとっては、ファクタリングを利用すべきか、利用しない方がよいのか悩ましいでしょう。

そこでこの記事では、ファクタリングを利用するメリットや注意点を解説します。
さらに企業の経営状態の判別にも利用される、バランスシートという観点から考えていきましょう。

ファクタリングでオフバランス化が可能

ファクタリングは手持ちの売掛債権をファクタリング業者に譲渡し、早期現金化をする資金調達方法です。
ほかの資金調達方法との大きな違いは、ファクタリングは借入金ではないという点です。
このファクタリングで目指せるのがオフバランス化となります。

オフバランス化とは

企業経営者の方であれば、常に気にしておく必要があるのが自社の財務諸表です。
その財務諸表の中でも、とくに重要とされる「財務三表」が賃貸対照表・損益計算
書、キャッシュフロー計算書です。
この中の賃貸対照表をバランスシートと呼びます。

オフバランスとは、このバランスシートに記載されない取引のことです。
ファクタリングは借り入れではありません。
このバランスシートには記載されません。
つまりファクタリングを利用することで、オフバランス化を進められます。

オフバランス化をすることのメリットを考えていきましょう。

自己資本比率やROAの改善が目指せる

その企業の経営状態は、主に財務三表から読み解けます。
その際に指標として使われるのが「自己資本比率」や「ROA」といった数値です。

• 自己資本比率=自己資本÷総資本×100
• ROA=当期純利益÷総資産×100

自己資本比率は30%以上あれば良好で、50%を超えると経営状態が優秀な企業とされます。
ROAは高ければ高いほど企業の評価が高くなる数値です。

このふたつの数値を高めるためには、企業の収益を上げることが重要になります。
しかしファクタリングを利用し、バランスシートの数値を変えることでも改善を目指せます。
このあたりの点を解説していきましょう。

ファクタリングを利用した際のバランスシート

実際にファクタリングを利用すると、バランスシートはどうなるのでしょうか。
以下ではバランスシートがどう変化していくのかを解説していきましょう。

バランスシートはご存じの通り「貸方」と「借方」に分かれております。
実際にファクタリングを利用した場合における、記載のポイントなどを紹介していきましょう。

売掛金が現金に

実際のバランスシートの項目は細分化されているものの、ここでは分かりやすいように簡略化したポイントのみ紹介していきます。

仮に「現金」が1,000万円・売掛金が200万円、借入金が100万円ある企業がこの200万円の売掛金を、10%の手数料でファクタリングしたとします。
この場合ファクタリング前のバランスシートが以下の状態です。

【貸方】
• 現金 1,000万円
• 売掛金 200万円
◎貸方合計1,200万円

【借方】
• 借入金200万円
• 資本金1,000万円(内利益200万円)
◎借方合計1,200万円

この状態で売掛金200万円をファクタリングし、手数料の10%を引いた180万円が入金されると、以下の状態に変化します。

【貸方】
• 現金 1,180万円
◎貸方合計1,180万円

【借方】
• 借入金400万円
• 資本金780万円(内利益180万円)
◎借方合計1,180万円

ファクタリング業者から入金された180万円は現金になり、売掛金は譲渡したためなくなります。
後にファクタリング業者に200万円支払う必要があるため借入金は200万円増え、その分資本金が下がるのです。

後に売掛金200万円が取引先から入金され、その売掛金をファクタリング業者に入金すると、以下の状態に変化します。

【貸方】
• 現金 980万円
◎貸方合計980万円

【借方】
• 借入金200万円
• 資本金780万円(内利益180万円)
◎借方合計980万円

ここで自己資本比率の計算式を考えてみましょう。
ファクタリングは売掛金を現金に換えるだけですので、総資本に影響を与えません。
一方ファクタリングで得た現金にて借入金を減らせば、自己資本比率は高くなります。

ROAは総資産が小さくなれば数値は高くなります。
ファクタリングを利用することでオフバランス化ができれば、自然と改善されていくのです。

手数料は売上債権売却損に

ファクタリングを利用すると、手数料が発生します。
この手数料はどのように計上するかというと、売上債権売却損として計上します。
債権譲渡で得た現金は単純に、普通預金として計上する形です。

バランスシートに与える影響

ファクタリングを利用すると、自己資本比率が高められて、ROAが改善されます。
実際にどの程度の差が出るのかも気になるところでしょう。
上記の例では200万円の売掛金を、手数料10%でファクタリングを利用したと仮定しました。

ここではファクタリングではなく、180万円を銀行等の金融機関から融資を受けた場合のバランスシートを考えてみましょう。

借入金との違いを計算

上記の例では現金が1,000万円・借入金が200万円、売掛金が200万円という想定で計算しました。
同じ状況で現金180万円の融資を受けると、バランスシートはどうなるのかを見ていきましょう。

【貸方】
• 現金 1,180万円
• 売掛金 200万円
◎貸方合計1,380万円

【借方】
• 借入金380万円
• 資本金1,000万円(内利益200万円)
◎借方合計1,380万円

金融機関から180万円を借り入れることで、現金と借入金が増えます。
この後売掛金が入金されると、以下の状態になります。

【貸方】
• 現金 1,380万円
◎貸方合計1,380万円

【借方】
• 借入金380万円
• 資本金1,000万円(内利益200万円)
◎借方合計1,380万円

現金は単純に増えますが、借入金も増えたままとなるのです。
この状況と上記のファクタリング利用における状況を比較していきましょう。

バランスシートから見る経営状況比較

自己資本比率やROAを算出する場合、ここで紹介した以外にもさまざまな数字が必要になります。
こういった数字は企業ごとに差があるので、細かな部分には触れません。
以下では借り入れとファクタリングで影響を受ける部分に注目して、自己資本比率やROAを比較してみましょう。

ファクタリングを利用した結果、最終的に資本金は780万円、総資本は980万円となります。
自己資本比率を計算すると約80%です。
一方借り入れをした場合、資本金は1,000万円、総資本は1,380万円となります。
自己資本比率を計算すると約71%となるのです。

ROAも同様で、ファクタリングを利用することで総資産を低く抑えられます。
純利益に大きな差がない限り、ファクタリングをした方がROAの数値は高くなります。

バランスシートを見る限りファクタリングを利用した方が、より健全な経営を行っているという評価を得られやすいのです。

バランスシートから見たファクタリングのメリット

企業経営をする以上、バランスシートは非常に重要な財務諸表となります。
自社内ではもちろん、第三者がその企業の経営状態を判断する場合は重要です。
バランスシートから得られる情報というのは、大きな比重を占めることになります。

ファクタリングを利用することのメリットを、このバランスシートから考えていきましょう。

バランスシート上健全な経営状態となる

ここまで説明した通りファクタリングを利用することで、バランスシート上では非常に健全な経営状態にあることが証明されます。

経営状況が安定していると、他社からも信用できる企業であるという評価を得られやすく、当然今後の取引にもよい影響を与えるでしょう。

またバランスシートに記載されない取引を増やすことで、バランスシートの管理も軽減されます。
より正確な経営状態の把握が可能にもなります。

企業価値が高まる

企業経営をする以上、運転資金など資金調達は非常に重要です。
その資金調達の方法として、ファクタリングという方法をもっておくのは非常に有効といえます。

ファクタリングの大きなポイントとしては、借入金にはならないという点があげられます。
利用しても借入金が増えないと、今後金融機関等に融資を申し込む際に大きなメリットとなるのです。

単純に借入金が少ないとそれだけ企業価値が高くなり、金融機関の融資審査にも通りやすくなります。

ファクタリングを利用する際の注意点

バランスシートという点から見ると、ファクタリングはメリットだらけの資金調達方法に見えますが、それでも利用には注意が必要です。
以下では具体的な注意点をいくつか紹介していきましょう。

手数料が必要であること

当然ですがファクタリングを利用する以上、手数料が必要となります。
もちろん手数料を加味しても、バランスシート上ではメリットがあります。
しかしそれでも手数料が発生することは、忘れてはいけません。

仮に継続的にファクタリングを利用し、年間で1,000万円を手数料10%でファクタリングしたとします。
この場合年間で100万円分の利益が、手数料として消えてしまうことになります。

いくらファクタリングが便利といっても、利益があまりに減ってしまうのは、企業としてはマイナスです。
ファクタリングを利用する場合はしっかりと手数料を見定めて、より条件のよいファクタリング業者を利用するようにしましょう。

ファクタリング依存に注意

ファクタリングは非常に便利な資金調達方法なだけに、つい頼りがちになる可能性があります。
その結果ファクタリング業者に入金するために、ほかの売掛債権をファクタリングするという事態に発展しかねません。

ファクタリングのためにファクタリングを行う、ファクタリングなしでは運転資金が回らないようになってしまう状況を、ファクタリング依存と呼びます。

ファクタリング依存は企業経営として、健全な状況ではありません。
ファクタリングの手数料は、金融機関の資金融資と比較すれば割高といえます。
ファクタリング依存には陥らないのがベストなものの、どうしても抜け出せない状態になったら金融機関から融資を受けましょう。
またはほかの手数料の安いファクタリング業者を探すなど、依存から抜け出す方法を考えましょう。

ファクタリングとバランスシートのまとめ

企業経営にとって重要なのがバランスシートです。
このバランスシートから見ると、ファクタリングという資金調達方法は、非常に優秀な資金調達方法となります。

もちろんバランスシートには、ここで紹介した以外にもさまざまな項目があります。
ファクタリングだけで、バランスシートが改善されることはありません。
ただし基本的にはよい方向に向く資金調達方法でもあります。

企業経営者の方は自社のバランスシートを見直し、適切にファクタリングを利用できるよう検討していきましょう。

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