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フリーランス向けのファクタリングサービスについて解説します
近年、資金調達手段のひとつとして注目を集めている「ファクタリング」。
売掛債権を入金期日前に買い取ってもらうことで、早期現金化ができる魅力的なサービスです。
ファクタリングは本来、法人向きに開発されたサービスですが、働き方改革等の社会情勢を受け、ここ数年間で個人事業主やフリーランスでも利用可能なファクタリング会社が増加傾向にあります。
「フリーランスだけど、取引先の入金が遅くて、手元の現金が尽きそう・・・」
「フリーランスのファクタリングって利用できるの?法人との違いってあるの?」
「そもそもファクタリングって怪しいサービスじゃないの?騙されない?」
初めてファクタリングの利用を考えているフリーランスの方は、こんな疑問や不安を抱えるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、
を解説します。
最後には、フリーランスがファクタリングを利用した事例の紹介もしますので、ぜひ最後までお読みください。
上記のような疑問をお持ちの方や、フリーランスで資金調達が難しく悩まれている方、ファクタリングをご検討の方は疑問や不安が解消されるはずです。本記事がお役に立てれば幸いです。
フリーランスが使えるファクタリングサービスには、以下の特徴があります。
一般的なファクタリングサービスの場合、初回利用時の手数料は10%~20%となることがほとんど。
「個人事業主特化型プラン」や「フリーランス特化型プラン」等のフリーランス向けにサービス展開されているファクタリングは、手数料一律10%や、3%~10%など、10%以下の低手数料で利用できる会社が多いです。
フリーランスの場合は、債権譲渡登記の必要もないため、登記費用などのその他諸費用がかかる心配もありません。
また、ファクタリングには「売掛債権の○%の買取に対応しています」という「掛け目」が存在します。
一般的なファクタリングサービスの場合、この掛け目を70%~80%にしている会社が多いです。
フリーランス向けのファクタリングサービスでは、掛け目の設定がなく100%買取に対応、もしくは掛け目の設定があったとしても90%以上と、買取額も柔軟に対応してくれまるという特徴も。
フリーランスの場合、所持している売掛債権も少額であることが多く、その中で掛け目の設定をされてしまうと、資金調達できる金額も少なくなってしまいます。
例えば、30万円の売掛債権を買い取ってもらうとしましょう。
一般的なファクタリングサービス(手数料20%、掛け目70%)の場合、
「(売掛金30万円✕掛け目70%)- 手数料(30万円✕20%) = 15万円の資金調達」
フリーランス向けファクタリングサービス(手数料10%、掛け目なし)の場合、
「売掛金30万円 - 手数料(30万円✕10%)= 27万円の資金調達」
この様に資金調達できる金額に大きな差が生じてしまうのです。
また、少額買取に対応している点もフリーランス向けファクタリングの特徴のひとつ。
法人向けのファクタリングサービスの場合、ファクタリング会社の利益率の問題から、100万円以下の買取に対応していないことが多いです。
しかし、フリーランス向けファクタリングサービスであれば、1万円~、10万円~とかなり少額な買取に対応している会社がほとんど。
このように、フリーランス向けファクタリングサービスは、売掛債権額の少ないフリーランスが利用しやすい特徴を持ったサービス展開となっています。
フリーランス向けのファクタリングが使える場面は、以下の様な状況の場合です。
ファクタリングは「売掛債権(請求書)の買取サービス」なので、当然手元に売掛債権がないことには、利用できません。
売掛金の入金予定期日まで入金を待てる場合には、ファクタリングを利用する必要性は低いでしょう。
しかし、手元の資金が不足している場合や、売掛先の倒産等による売掛金未回収の可能性がある場合などには、ファクタリングを利用し、早期現金化することが可能です。
このような場合には、ファクタリングの強みを活かしながら資金調達ができるでしょう。
法人向けファクタリングサービスとの違いは、基本的に利用者が法人なのか個人なのかということだけです。
※2社間ファクタリング:売掛先→利用者→ファクタリング会社へ支払い
3社間ファクタリング:売掛先→ファクタリング会社への支払い
基本的には、フリーランス向けファクタリングサービスもこのような仕組みで行われます。
ただし「売掛債権を○○に譲りました」という法的な証明である債権譲渡登記は法人のみが行う登記であるため、フリーランスの場合にはこれが必要ないという点は大きな違いになるでしょう。
そのため、債権譲渡登記を必須としている2社間ファクタリングは利用できない可能性もでてきます。
しかし、近年では債権譲渡登記を行わない2社間ファクタリングの契約も増えてきているため、フリーランスでも「売掛先にファクタリングの利用を知られない資金調達」も可能でしょう。
実際、フリーランス向けのファクタリングサービスと、一般的なファクタリングサービスにはどのような違いがあるのでしょうか。
以下に解説していきます。
フリーランス向けのファクタリングサービスは、一般的なファクタリングサービスの審査フローを、よりシンプルにしたという違いがあります。
フリーランス向けのファクタリングサービスは、ファクタリング会社へ来店したり、対面で面談をしたりする必要もなく、オンラインで完結できるサービスが多い印象。
審査にはAIを用いていることがほとんどで、提出書類が少なく、審査スピードも早いという利便性の高いサービスと言えるでしょう。
上でも述べましたが、一般的なファクタリングサービスの場合、申込み後に担当者から電話がかかってきたり、来店して審査を受けたりして、ファクタリング利用に関する事項のヒアリングが必要です。
対し、フリーランス向けのファクタリングサービスでは、オンライン完結する場合も多く、会員登録から書類のアップロードのみで審査が可能であり、電話対応や来店といった手間やストレスがありません。
そもそもフリーランス向けのファクタリングサービスでは、担当者自体がつかないということも多いのです。
フリーランス向けのファクタリングサービスで、必要最低限とされている提出書類は「本人証明証」と「請求書(発注書、契約書)」の2点です。
一般的なファクタリングサービスの場合は、3~6ヶ月分の銀行口座履歴や確定申告書(1~2期分)、印鑑証明書、住民票などが上記に追加されます。
住民票や印鑑証明書は役所などで取得しなければならないため、一般的なファクタリングサービスの場合は書類準備に手間がかかるというデメリットがあるでしょう。
一般的なファクタリングサービスでも、即日入金や最短60分で入金等、比較的手早い現金化はできます。
しかし、この場合の即日とは「(申込みをして必要書類の提出が済んで順調に審査が進めば)即日」という意味を持ちます。
申し込みをしても必要書類が手元に揃っていなければ、もちろん即日入金は難しくなるでしょう。
フリーランス向けのファクタリングサービスであれば、オンラインで全て完結する上に、提出書類も少なく、審査もAIを用いているため、かなりの高確率でスピーディーな資金調達が可能という強みもあります。
上でも説明しましたが、一般的なファクタリングサービスの場合、手数料が10%~20%、掛け目は70%~80%という設定をしている会社がほとんど。
フリーランス向けのファクタリングサービスは、手数料10%程度、掛け目は90%~100%と少額利用をした際にも手元に入る金額が多くなるような設定となっています。
これらの観点から見ても、一般的なファクタリングサービスよりもフリーランスに特化しているファクタリングサービスを利用した方が、メリットが大きいと言えるでしょう。
一般的なファクタリングサービスとフリーランス向けのファクタリングサービスでは、いくつか違いがありましたね。
フリーランス向けのファクタリングサービスを利用する際のメリットは以下の7点です。
ファクタリングを利用する最大メリットは、なんといっても手早い現金化。
特にオンラインで完結しているファクタリング会社は、即日入金、早いと1時間や2時間で現金化できることも珍しくありません。
クライアントからの急な支払い依頼や外部発注費など、急に資金が必要になることも比較的多いフリーランスにとって、魅力的なサービスと言えるでしょう。
担保や保証人の必要がなく、資金調達ができるというメリットも。
フリーランスの場合、担保や保証人を準備するのはなかなか大変なのではないでしょうか。
銀行融資など貸付による資金調達の場合、担保や保証人を要求されることは珍しくありません。
ファクタリングは、無担保・無保証人で資金調達ができる数少ない資金調達手段として、フリーランスや個人事業主から重宝されているのです。
2社間ファクタリングを利用すれば、売掛先にファクタリングの利用を通知することなく利用ができます。
フリーランスにとって、売掛先からの信頼を損なうことは命取り。
非通知で、誰にも知られることなく資金調達ができるため、信頼関係が傷つくこともありません。
自分の信用を守りながら資金調達ができるのも、ファクタリングのメリットと言えるでしょう。
融資などの貸付の場合、信用情報には「借入(借金)」として、情報が残ります。
ファクタリングは「売掛債権の買取り」であるため、信用情報が傷つくことはありません。
「借金がある」という情報は、周囲との関係性の悪化に繋がりかねないため、その心配がいらないという点もメリットとなるでしょう。
ファクタリングは基本的に「償還請求権のない契約(ノンリコース)」での取引となります。
ノンリコースとは、売掛先の倒産等により万が一売掛金の回収ができなくなった場合でも、ファクタリング会社が利用者に弁済を求めることができない契約のこと。
つまり、ファクタリングを利用して先払いされた金額を、売掛金が回収できなくなった場合でもファクタリング会社へ支払う必要はないのです。
ファクタリングはノンリコースであるため、万が一の場合でも弁済を求められることはありません。
経営が怪しそうな売掛先の売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、貸し倒れのリスクを回避できるというメリットがあります。
ただし、ファクタリングの審査では売掛先の信用度を重要視するため、経営が怪しい会社の場合は審査に通過しないか、通過したとしても手数料が高くなる可能性があるので、注意は必要となるでしょう。
フリーランス特化型のファクタリングサービスであれば、手早い現金化ができる上に、フリーランスに特化したサービスを受けられる可能性があります。
サービス内容は利用するファクタリング会社により異なるため、確認することをおすすめします。
では、実際にフリーランスがファクタリングを利用する場合、どのファクタリング業者を利用するか業者選びが必要となるでしょう。
フリーランスが利用できるファクタリング業者は法人と比べると少ないですが、自分に合ったファクタリング業者を選ぶことが資金繰り改善の第一歩となります。
ファクタリング業者を選ぶ際には、以下の3つのポイントに注意して選ぶようにしましょう。
ファクタリングは、利用時に必ずファクタリング手数料が発生します。
手数料は2社間ファクタリングの場合、10%~25%が相場であり、ファクタリング会社により手数料設定が異なります。
同じ売掛債権の買取りでも利用する会社が違えば、手数料も異なるため、実際手元に入る金額にも大きな差が生じやすいです。
そして、その差がフリーランスの資金繰りを圧迫してしまうケースも少なくありません。
手数料は低ければ低いほど良いというモノではありませんが、相場の範囲内で極力低い業者を選ぶようにしましょう。
掛け目がないかどうかも、実際の資金調達額に大きな影響を与えます。
上でも述べましたが、掛け率70%の場合と100%の場合では手元に入る金額に大きな差が生じることでしょう。
フリーランスに特化している業者は掛け目がないことがほとんどですが、利用時には掛け目の有無と実際の資金調達額の確認を行う様にしてください。
ファクタリング業者により、買取可能額も異なります。
一般的にファクタリングでは100万円からの買取に対応しているファクタリング業者が多いです。
また、請求書や取引が確認できるメールなどのやり取りで契約できる業者もあれば、しっかりとした契約書がないと利用できない業者もあります。
手元にある書類で審査可能かどうか、売掛債権額は業者が対応している金額かどうかも確認して、合ったものを選ぶようにしましょう。
手早い現金化や売掛金未回収リスクの回避ができるファクタリング。
メリットも多い反面、利用時には注意すべき点もいくつかあります。
法人の場合は年に1回決算があり、決算書で会社の経営状態を把握することができます。
そのため、ファクタリング業者からしても安心して契約を結ぶことができるのです。
しかし、フリーランスの場合は、経営状況が分かりづらく、ファクタリング業者も判断しづらいという問題があるのも事実。
ファクタリング業者が最も恐れていることは「売掛金の未回収リスク」であるため、経営状況がよく分からない相手との取引には消極的になりがちです。
そこで、収支表や事業内容が書いてあるホームページやパンフレットなど、フリーランスの事業内容・状況のわかる資料を用意しておくことで、ファクタリング業者への印象は格段と良くなることでしょう。
ファクタリングは売掛債権を買い取ることで、手早い現金化を可能にするサービス。
売掛債権が本当に存在するものなのか、信用の高い売掛債権なのかどうかが審査でも確認されます。
過去には架空の売掛債権でファクタリングを利用し、裁判沙汰にまでなったケースも・・・。
このような事件があったことから、ファクタリング業者も状況のわからない売掛債権の買取には消極的になりがちです。
フリーランスの場合、契約書を作成せず口頭だけで契約を行うことも珍しくありません。
その場合、確かに売掛債権が発生しているということを証明できる書類がなく、ファクタリングを利用することも難しいです。
トラブル防止のためにも、取引先との契約書や発注書、納品書、請求書などは完備させておくことをおすすめします。
書類が揃っていれば、ファクタリングもいつでも利用できるため、焦ってなにかを準備するということもなくなるでしょう。
ファクタリング業者の中には「即日入金」を謳っている業者も多いですが、即日入金にはいくつかの条件が設けられていることがほとんど。
その多くが「午前中までに申込みをした場合」即日入金が可能というもの。
ファクタリングの利用には審査があり、審査を行うにも時間がかかります。
書類の不備や修正があった場合は、さらに時間がかかることでしょう。
即日入金を希望している場合、午前中のうちに申込みを済ませておくことをおすすめします。
オンラインファクタリングであれば、24時間365日いつでもどこからでも申込みが可能です。
しかし、審査に対応しているのは平日のみという業者がほとんど。
土・日・祝日に申込みをした場合、即日入金は難しく、審査結果や入金は平日になる可能性が高いということは頭に入れておきましょう。
ファクタリング業者の中には、法人のみに対応している会社もあります。
その場合、もちろんフリーランスや個人事業主は利用することができません。
いくら条件が良くても対象者が異なれば利用できませんので、初めに対象者を確認するように気をつけましょう。
ファクタリング業界には悪質なファクタリング業者が存在しているのも事実。
悪質なファクタリング業者には以下のような特徴があるので、参考にしてください。
当てはまる項目がある場合は、悪質業者の可能性が高いため、利用しないことをおすすめします。
【まとめ】
当記事ではフリーランス向けのファクタリングサービスについてご紹介してきました。
近年、資金調達手段のひとつとして注目を集めている「ファクタリング」。
ここ数年間で個人事業主やフリーランスでも利用可能なファクタリング会社が増えてきました。ファクタリングについて冒頭に書いたような疑問や不安は解消されましたか?
フリーランスでファクタリングを利用される場合は、「フリーランス特化」や「フリーランス対応」と謳っている会社を探してみましょう。一般的なファクタリング会社よりもメリットが多くあります。特化しているファクタリング会社はオンライン完結で対面での来社面談や電話がなくAIで審査することが多いためスピーディな資金調達が可能。さらに必要書類も一般的なファクタリング会社に比べて少なくて済みます。一般的なファクタリング会社は役所で発行する書類など含め6点ほど要するに対し、特化会社は本人確認書類と請求書の2点で良い場合も多いです。また、企業とは違い少額な資金を必要とするフリーランスの方のために手数料も抑えめで手元に入る額が多くなるように配慮されています。フリーランスの方には最適な資金調達方法ですね!
しかし、悪徳業者も存在しますので記事に記載したことに注意して見極めてからサービスを利用しましょう。