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請求書買取サービスとは、手元にある売掛債権を譲渡することで、売掛金を早期に現金化するサービスです。
近年新たな資金調達方法として、多くの企業が利用しています。
請求書買取サービスの中には、申し込みから契約・入金まですべてオンライン上で完結できる、オンラインサービスが増えています。
手元にある債権の譲渡をどのようにオンラインで行うのか、利用にあたってはどのようなポイントに注意するべきかなどを、紹介していきましょう。
請求書買取サービスとは企業や個人事業主、フリーランスの方がもっている売掛債権を、請求書買取業者に譲渡し売掛金の現金化を早めるサービスです。
「ファクタリング」とも呼ばれるサービスで、新しい資金調達方法として近年利用が広がっています。
上記の通り売掛債権を譲渡する「債権譲渡契約」となりますので、借入金とならないところが大きなポイントです。
これまで企業の資金調達方法といえば、銀行などの金融機関からの資金融資が中心でした。
資金融資は当然ですが借入金であり、いつでもいくらでも利用できるものではありません。
一方請求書買取サービスは、手元に売掛債権があればいつでもいくらでも利用できる資金調達方法です。
多くの事業者が気軽に利用できるサービスです。
近年では個人事業主やフリーランスにも対応した、請求書買取サービスも増えております。
今後も市場は広がっていくことが予想されています。
請求書買取サービスの大きな特徴は、借入金とはならないという点です。
企業経営を行っているなかで、運転資金等資金面で問題が発生することは少なくありません。
原材料費が高騰するなどの場合、企業経営自体は順調であっても、一時的に現金が不足することもあるでしょう。
こうしたケースにおいて、資金調達をすると考えた場合、金融機関からの資金融資は少々リスキーであるといえます。
金融機関からの資金融資は借入金です。
借入金が増えれば、当然その企業の財務状況は悪化していると判断されます。
その状況で新たに借り入れを申し込んでも、審査を通過するのは難しくなるでしょう。
また借入金の多い企業は、取引先企業からの信頼も下がっていきます。
新規顧客開拓にも影響が出るでしょう。
その点請求書買取サービスは借入金ではありません。
手元にある売掛債権を早期現金化しているだけなので、企業の財務状況は一切悪化しません。
金融機関からの資金融資を受けるのは、新規事業に手を付けることになり、急に多くの現金が必要となった場合などです。
企業の成長のための手段として、とっておくのがおすすめとなります。
それ以外の急な出費に対応できる、資金調達法が請求書買取サービスといえるでしょう。
請求書買取サービスにはさまざまな利用方法があります。
もっとも一般的な利用方法が2社間契約です。
利用企業と請求書買取業者の2社の間で契約する方法で、利用企業は取引先企業に知られることなく、請求書買取サービスを利用できます。
請求書買取サービスは借入金ではありません。
しかしそれでも利用していることが取引先などに知られると、「あの会社は資金繰りが厳しい」といった印象を、与えることになります。
こういった印象が取引に影響する可能性があるため、取引先企業に知られず契約できる2社間契約を選択する企業が多いのです。
また上記2社に加え、取引先企業(売掛債権の債務者となる企業)も含めた、3社間での契約も可能です。
3社間契約にするとより手数料が安くなるため、利用企業にとってはメリットもある契約となります。
ただし3社間契約の場合は取引先企業にも契約に参加してもらう必要があり、ややハードルの高い契約といえるでしょう。
このほかにも医療機関が利用できる医療ファクタリングや、海外企業との取引で活用できる海外ファクタリングなど、さまざまな利用方法があります。
請求書買取サービスにはさまざまな利用方法があり、契約方法もいくつか存在しています。
そのひとつで近年利用が増えているのが、オンラインによる請求書買取契約です。
かつて請求書買取サービスといえば、請求書買取業者の窓口などに赴き、対面で審査を受け契約を行うのが一般的でした。
請求書買取サービスとは、債権譲渡契約を結ぶことです。
契約の締結にはどうしても署名押印が必要であり、これは対面かつ紙の契約書で行う必要がありました。
しかし近年では電子契約という方法が登場し、契約締結のために紙の書類を用意する必要がなくなりました。
それに伴い増えているのが、オンラインによる契約です。
請求書買取サービスのオンライン契約は、契約をオンラインで行うというだけではありません。
申し込みから審査、契約・入金まですべてオンラインで行うケースが中心となっています。
つまり一度も請求書買取業者を訪れなくても、オンライン上ですべてが完結する契約が増えています。
まずはオンライン契約の流れを紹介していきましょう。
先にオンラインではなく、電話や対面・郵送を利用した請求書買取サービスの、利用の流れを簡単に紹介しておきましょう。
基本的にはオンラインでも同じ流れで契約は進みます。
まずは請求書買取業者に電話などで連絡を入れ、簡単な見積もりを貰い審査を受けます。
その後請求書買取業者とアポを取り、実際に対面で申し込みを行いましょう。
ここで本格的な審査が行われます。
審査にかかる時間は、請求書の内容や額面金額などにより差はあるものの、基本的には当日中にて結果が出るのが一般的です。
審査に通過し手数料の条件などに問題がなければ、必要書類を提出し契約内容を確認して、契約書に署名押印を行って契約が締結されます。
契約締結後、速やかに入金が行われます。
申し込んだ企業は現金を受け取り、後日売掛金が取引先企業より入金されたら、その売掛金を請求書買取業者に入金して契約完了です。
この流れを頭に入れて、オンライン契約の流れを確認していきましょう。
オンラインでの申し込みを受けている請求書買取業者は、自社HPなどに申し込みフォームをもっています。
まずはこの申し込みフォームから見積もりを依頼しましょう。
必要な記入内容は申し込む請求書買取業者次第で、さまざまとなっています。
しかし基本的な情報であることがほとんどなので、入力自体は数分で済むでしょう。
見積もりと審査が完了し、問題がなければ本格的な申し込みに移ります。
まずは必要書類を用意し、その書類をアップロードできるようにデータ化します。
オンライン申し込みの場合、必要書類をPDF化しアップロードするのが一般的です。
保存形式や保存サイズなどは、その請求書買取業者の指示に従いましょう。
必要書類が揃っており、問題がなければ契約となります。
請求書買取業者から送られてくる契約書の内容をしっかりとチェックし、問題や疑問点がなければ契約です。
契約もオンラインで行うため署名押印は不要です。
多くの請求書買取業者は、電子署名やタイムスタンプのシステムを導入しています。
請求書買取業者の指示に従い電子署名を行って、オンライン上で契約締結が可能です。
契約が締結されれば、請求書買取業者から入金が行われます。
入金に関しては請求書買取業者、もしくは契約内容により多少の差はあります。
なかでも最短即日、遅くとも2~3日以内に入金されるのが一般的です。
後日売掛金が取引先から入金されたら、その売掛金を請求書買取業者に入金しましょう。
もちろんこれもオンラインで処理可能です。
これで契約は完了です。
最初の申し込みから最終的な売掛金の入金まで、すべてオンラインで処理できます。
自社内にいながら、請求書買取サービスを利用可能です。
請求書買取サービスは、金融機関等に資金融資を申し込むのと比較すれば、遥かに手軽に利用できる資金調達方法です。
そのうえすべてがオンライン上で完結するのであれば、より利用しやすい資金調達方法となります。
当然オンライン申請のメリットは数多く、多くの企業や個人事業主の方が利用しやすいサービスとなっています。
以下ではオンライン契約のメリットを紹介しましょう。
請求書買取サービスを利用する方の多くは、とにかく急ぎ現金がほしいという方でしょう。
そのためには申し込みから入金までの時間が、短ければ短いほどありがたいものです。
その点オンライン申請は、非常におすすめの方法といえるでしょう。
上記で手順を紹介しましたが、その手順はすべて自社内のデスクにいながら行えます。
また必要書類も、どこかの役所に行って入手するようなものはありません。
基本的には、自社内の手元にあるものばかりなので、書類の準備のために移動する時間も不要です。
現金がほしいタイミングに、手元にある物だけで申し込めて現金化のスピードも早いとなれば、これほど大きなメリットはないでしょう。
最短であれば午前中に申し込んで、午後イチには現金化も可能です。
請求書買取サービスは近年利用が増加しているサービスで、日本全国さまざまな地域にサービスを提供する業者があります。
とはいえ日本全国どこでも、かならず近所にあるというわけではありません。
請求書買取業者も、開業するのであれば周辺に多くの企業がある都市部に事務所を設置します。
つまり地域によっては、請求書買取業者が近所にないというところもあるのです。
対面での契約となると、決して近くない請求書買取業者の事務所に行く必要があります。
それだけでも時間の無駄が発生してしまうでしょう。
さらに書類に不備などがあれば、その場で契約できず、再度出直す必要があります。
地方部の企業や個人事業主、フリーランスの方には利用しにくいサービスといえるでしょう。
その点オンラインで完結できる契約は、日本全国どこからでも申し込みが可能です。
より多くの方が利用できるというメリットがあります。
またより多くの顧客の方を対象にできることは、請求書買取業者の実績も豊富になることでもあります。
それだけ信頼できる業者が多いのも、メリットといえるでしょう。
オンラインで請求書買取サービスを行っている業者は、手数料も割引の傾向があります。
請求書買取サービスも一般的なネットショッピング同様です。
事務所や店舗を構える、そこで働く従業員を用意する必要がなくなります。
そのためオンラインサービスを提供している請求書買取業者は、それだけ経費を抑えられるのです。
その抑えた分を利用企業に還元しているケースも多く、一般的な対面契約と比較すれば、手数料は安い傾向にあるといえます。
手数料が安く契約締結までの時間も短縮できるとなれば、オンライン契約にはメリットしかないようにも見えます。
とはいえメリットがあるものには、かならずデメリットがあるものです。
このデメリットに関しても、しっかりと理解しておきましょう。
オンラインで完結する請求書買取サービスは、時間と手間がかからないサービスです。
しかし手間がまったくないわけではありません。
それが必要書類のデータ化などの作業です。
請求書や通帳・身分証明書など、請求書買取の申し込みに必要な書類の中には、紙のものが多く含まれます。
こうした紙の書類をデータ化する手間は必要です。
スキャナーなどがあれば読み込んで画像化すること自体、大きな手間ではありません。
しかしスキャナーがない場合などは、このデータ化で手こずる可能性があります。
社内に複合機がある場合は、複合機を利用してスキャンができるケースもあります。
紙の書類をデータ化する方法は、しっかりと用意しておきましょう。
オンラインでの申請には当然ですが、インターネット環境が必要です。
もちろん現状日本国内にある企業のほとんどは、インターネット環境もそろっていることでしょう。
そう考えると問題は無いように思えるものの、インターネット環境があるからといって安心できない面もあります。
たとえば通信障害などで一定期間ネットが利用できない場合や、申し込みを行おうとしていたPCが、フリーズなどで操作できなくなってしまうケースもあります。
急に現金が必要になったタイミングで、PCやネット回線に不具合があると、オンライン申請は利用できなくなってしまうのです。
利用したいときに利用できない可能性があるのは、デメリットといってよいでしょう。
オンライン契約においてもっとも大きなデメリットとなりうるのが、電子契約のセキュリティ面です。
オンラインで契約を締結するには、オンライン上で契約書にサインをする必要があります。
もちろんこうした電子契約の場面は増えており、電子署名をした経験がある方も多いでしょう。
しかし電子署名にはどのサイトで、どのようなセキュリティで守られているかが重要になります。
何も知らないでサインしたつもりでいると、契約が締結していないというケースもあります。
また契約後に契約書を改ざんされてしまい、大きな負債を背負うなどのリスクも考えられるでしょう。
電子契約といっても、そこは金銭にまつわる契約です。
どのようにセキュリティが保証されているのか、しっかり確認して契約を行いましょう。
オンラインで請求書買取サービスを利用するには、メリットもデメリットもあります。
もちろんデメリットに関しては、しっかり把握しておく必要はあります。
それでもメリットが大きいというのは、間違いないでしょう。
そこでオンラインで請求書買取サービスを利用する場合、注意しておくべきポイントをいくつか紹介しておきます。
オンラインで請求書買取サービスを申し込み、オンライン上ですべてが完結するのであれば、電話応対や窓口対応は不要に思えるかもしれません。
しかし可能であれば、電話や窓口での対応も行っている業者を選ぶのがおすすめです。
これは上で紹介したデメリットを消す対策としても、重要なポイントとなります。
たとえば必要書類が不明の場合、契約内容に関して質問がある場合、インターネット環境やPCに問題がある場合などがあります。
オンラインですべてを完結できない事態は、突然起こりかねません。
こうした場合の問い合わせなどがすべてメール対応などの場合、どうしてもリアクションタイムが必要になります。
メールなどで問い合わせるより電話で問い合わせた方が早い、分かりやすいケースもあります。
またオンライン申請がどうしてもできなくなった場合、早急に窓口対応に切り替えてもらうなどの対応もほしいところです。
基本はオンラインですべて完結できる業者であり、同時に電話対応や窓口対応も行っている業者がおすすめの業者となります。
オンラインで契約する場合は、なんといってもオンライン契約に関してしっかりチェックする必要があります。
電子署名をしっかり採用しているか、タイムスタンプは有効になっているかなどです。
オンライン契約では、通常の対面契約では気にする必要のない点にも注意が必要になります。
オンライン契約に関してあまり慣れていないという方は、不明点をはっきりさせておきましょう。
電話や窓口などでしっかりと疑問点を解消してから、契約するようにしましょう。
オンラインでの請求書買取サービスを提供している業者の中には、いわゆる悪徳業者が存在している事実も否定できません。
そもそも請求書買取サービスという事業に関しては、それ専用のしっかりとした法律がありません。
たとえばお金の融資に関しては、貸金業法という法律があります。
しかも貸金業者として開業するには、登録も必要です。
金融機関や貸金業者はこの登録を行い、貸金業法に則って業務を行っています。
請求書買取サービスに関しては、こうした法律や登録の制度がありません。
つまり法整備が追い付いていない状態です。
そのため一部悪徳業者が存在しているのは間違いありません。
さらにオンラインのみで業務を行うとなれば、より悪徳業者として活動がしやすくなります。
悪徳業者に引っかかると債権の譲渡契約ではなく、高額の金利での貸付契約になる、法外な手数料を請求されるなど大きな被害も考えられます。
電子契約の電子署名やタイムスタンプが設定されていないと、契約後契約内容の改ざんなどが行われる可能性もあるでしょう。
十分注意して業者を見極めましょう。
オンラインで請求書買取サービスを提供している業者の中には、より作業の効率化やスピード化を目指すために、審査にAIを導入している業者もあります。
AIによる審査自体を否定することはありません。
しかしAIが審査を行う場合、非常に画一的な審査となってしまいます。
通常落ちるはずもない請求書が、審査に落ちてしまう可能性もあるのです。
AI審査で落ちたからといってすぐにあきらめず、別の業者に同じ条件で申し込んで審査に通るなどというケースもあります。
この点は覚えておくとよいでしょう。
請求書買取というサービスは、近年利用する企業が増えている資金調達方法のひとつです。
その契約方法にはさまざまな種類があり、自身の都合に合わせて上手に利用すれば、非常に有効な資金調達方法といえるでしょう。
そういった請求書買取サービスでも、近年増加傾向にあるのがオンラインで申し込みから契約まで、すべて完結できるオンラインサービスです。
オンラインでの契約は、請求書買取業者に出向く必要もありません。
手元にある書類と情報のみですぐに申し込めることもあり、非常に手軽に請求書買取を利用できる方法です。
申し込みから入金まですべてオンライン上で済ませられるため、日本中どこからでも、いつでも気軽に利用できます。
しかも現金化のスピードが早いというメリットがあるため、オンラインで請求書買取を利用する企業が増えているのです。
ただしオンライン契約には、オンラインならではの注意点もあります。
とくに契約における電子署名やタイムスタンプの確認、そもそも業者が優良業者なのかどうかという点は、十分に注意して契約する必要があります。